猴硐(ホウトン)は、台北から北へ車で1時間ほどの場所にあります。電車ですと、台北から瑞芳まで行き、平渓線に乗り換えて一駅です。もともと炭鉱で栄えた町ですが、閉山によってさびれてしまいました。2009年ごろから、もともと街にたくさんいた猫を使って町興しをしようという機運が高まり、今では猫好きが集まる有名な観光地となりました。動物写真家の岩合光明さんが取り上げたのがきっかけとなり、日本でも知られるようになりました。
猫は100匹以上おり、いつ行っても必ず猫に出会えます。街の中には、猫の絵、オブジェ、猫雑貨屋さんなどがたくさんあり、まさに猫の街です。
小さな街ですが、駅舎は結構立派です。電車で到着すると、ホームから2階にあがり、改札があります。改札を出て階段を下りると駅の南側、通路を渡って反対方向に行くと北側に出られます。
永久列車長の黒鼻象です。実在した猫で、猴硐のシンボル的存在です。
地図をご覧いただくとわかるように、猫村は主に駅の北側に広がっています。南側には、選炭工場の跡などがあります。南側にも結構猫がいます。
まずは、駅の北側からご案内しましょう。
改札を出て、駅の北側に向かう通路です。ちゃんと猫の通り道があります。様々な猫キャラクターの看板も立っています。
そして、実際に猫もこの通路を利用しています。雨の日には、この通路に猫が集まってきます。
駅の北側は、完全に猫の世界です。猫の壁画やオブジェがあちらこちらにあります。
猫グッズのお店もあります。屋根に大きな白黒猫のオブジェが乗っているお店が「三猫小舗」という猫雑貨屋さん。もう1軒は「猴硐猫村招財猫本舗」という招き猫屋さんです。他にも数軒お店があります。
もちろん、本物の猫もたくさんいます。
次に、駅の南側の様子をご紹介します。こちらには猫以外の観光スポットもあります。この見事なアーチ橋は「運煤橋」といい、石炭を運び出すのに使われていました。橋の下を流れるのは基隆河です。
運煤橋の上に登ることもできます。橋の上には、かつて使われていたレールがそのまま残っています。
炭鉱から掘り出された石炭から混ざった石を取り除く選炭工場の跡です。日本統治時代の大正9年に造られたものです。この年、線路が開通し猴硐に汽車が来るようになったのに合わせて建てられました。
今では、完全に廃墟となっています。運煤橋の上からも見ることができます。
この街が、以前炭鉱の街として栄えていたことがわかります。
駅の南側にも猫がいます。橋の麓に、木でできた猫の家が並んでいる一角があります。
駅の南側の駐車場近くには、こんな標識があります。中国語は読めませんが、漢字を見ていると意味が分かりますね。「猫がよく出てくるので、減速してください。」といったところでしょうか?
猴硐名物、猫型パイナップルケーキのお店「煤之郷」です。猫耳姉妹が出迎えてくれます。普通のパイナップルケーキの他、ブルーベリー味、イチゴ味といったバリエーションがあります。お土産に買って帰れば、喜ばれること間違いなし!
最後に、猴硐の猫写真をお楽しみください。
ここの猫は、ちゃんと餌をもらって世話をしてもらっているので、みんなきれいです。最後に、猫村の掟を紹介しますので、これを守って楽しく猫村を散策しましょう。
1.むやみに人の食べ物を猫に与えない
2.犬を連れて歩いていはいけない
3.猫にフラッシュを使用してはいけない
4.大声を出して猫を驚かせてはけない
阿部 吾郎
24年間旅行会社に勤務した後、2013年に独立し「トラベルガイド株式会社」を設立。「人がそこに行きたくなる写真」をテーマに国内外で写真撮影を行っている。同社が運営するマレーシアの旅行情報サイト、トラベルガイド・マレーシアにも自身で撮影した写真が多数使われている。その他、旅行写真素材の販売、旅行記事の執筆、旅行会社へのコンサルティングなどを手掛る。最近はマレーシアに年4~5回程度渡航。その他、旅行会社時代の経験も含め得意な方面は、台湾、香港、マカオ、シンガポール、アイスランドなど。