少し郊外の住宅地に行くと、緑あふれる景色がひろがるメルボルン。
そのままさらに進むとあちこちで見えてくるのが牧草地帯。
牛が草を食み、羊がのんびりと昼寝をしている牧歌的光景に大地の広さを感じます。
ワインで知られるヤラ・バレー(Yarra Valley)は、酪農地帯。牛やヤギなどの搾りたてのミルクで作られる乳製品や食事を楽しめる場所がいくつかあります。
広大なワイナリーに広がるブドウ畑が続く、いわばヤラバレーのメインストリート沿い。そこに知る人ぞ知る極上のチーズを味わえるコールドストリーム・デイリー(Coldstream Dairy)があります。
週末のみのオープンのため、平日はひっそりとして見過ごしてしまうほど。なにしろ、地元産の牛乳のみを使ってハンドメイドなので量産できないのかもしれません。
まずはテイスティングをします。オーナーのアナ(Anna)さんが、小さく切ったチーズを爪楊枝にさしてくれて渡してくれます。特徴などをざっと説明してくれます。
種類は3〜4種類ほど。他のチーズセラーに比べると、こじんまりしているかもしれません。でも、遠くからこの味を求めてやってくる人の多さがその味を物語っています。
一番人気は、カマンベールチーズ。でも匂いがきついという印象を持つ人も多いかもしれません。「クセのある赤ワインを飲む時に合わせていただく」という話も聞きます。発酵食品なので好き嫌いがわかれるところかもしれません。
実際に食してみると、驚くほどあっさりした香りなのに、鼻に抜ける芳醇なコク。素朴でありながらも、カマンベール独特の濃厚なフレーバーを存分に味わえます。
乳製品の食感としては、原材料の上質さが勝るといった印象です。
※ワインに合わせる場合:個人的な印象ですが、白はソーベニオンブラン(Sauvignon Blanc)、赤はシラーズ(Shiraz)でしょうか。
計り売りのチーズは他にフェタやチェダーなどもあります。そしてすぐそばのショーケースには自家製ヨーグルトも。こちらは濃厚で、ちょっと甘め。
いずれの製品も、一度食べたら忘れられないほど。
ちなみにヤラ・バレー公式サイトの「訪れるべきリスト」の34番目にも掲載されています。
お店の外にはテーブルがあり、そこで買ったものを食べることもできます。
目の前には牛が放牧されており、ゆったりとした景色。
チーズは非常にデリケート。長時間の持ち歩きには保冷剤と保冷素材のバッグを持参した方が安心ですね。
夏でしたらこれらのアイテムはコールズ(Coles)などでも、アウトドア関連売り場があるため入手できます。
※もし日本におみやげとして持って帰りたい場合、その方法などを含めお店のスタッフの方の直接お尋ねしてみてくださいね。
【データ】
コールドストリーム・デイリー(Coldstream Dairy)
住所:735 Maroondah Highway, Coldstream, VIC3770
TEL:03 9739 1353
URL:http://www.coldstreamdairy.com.au/
参考URL:http://www.yarravalleyfood.com.au/our_members.asp?category=6
営業時間:土曜日、日曜日、祝日(9:30〜17:00)
アクセス:メルボルンからヤラバレーまで車で1時間。ドメイン・シャンドン(モエシャンドン)を越えてすぐ。
逗子 マリナ
広告代理店、コミュニティ紙の取材記者、その後フリーランスへ。雑誌ライター、ムック本コピーライターの他、現在は主にWebを中心に寄稿。今まで訪れた国は約30カ国。アメリカ、オーストラリアと海外在住歴はのべ8年。現在はクアラルンプール在住。旅は寄り道や偶然に発見が多いので自分で車を運転していくのが好き。