シンガポール大統領官邸・通称イスタナ (The Istana) は、毎年数回だけ祝日に合わせて一般公開されます。2016年の公開は5回のみで (日程は下記参照)、今年第一回目は旧正月の祝日2月9日です。市街地の中に突然現れる大統領官邸。その広大な敷地の迫力は、実際に入ってみないと分かりません。ぜひこの機会を利用して、シンガポールの旅を特別なものにしてみませんか?
大統領官邸は、地下鉄MRTのドビー・ゴート駅 (Dhoby Ghaut MRT Station) から徒歩で1〜2分。ショッピング街オーチャードから地下鉄で2駅と旅行者でも行きやすいところにあります。時間帯によっては入場するまでにかなり行列ができ、玄関口でのセキュリティーチェックを終えるまでに30分〜1時間くらいかかる可能性も。筆者が行ったときは乳幼児と一緒だったので、体の不自由な方や高齢者、小さな子供連れ用の優先レーンを利用しそれほど待たずに入れましたが、一般客の入り口はかなり混んでいました。
セキュリティーチェックを通過して中に入ると、「こんな都会にこんなところが!」とスケールの大きさに驚くこと間違いなし。整備された芝生の上を走り回る子供たちやピクニックをする家族などもいて、この日ばかりは、大統領の庭が国民の公園になっていました。
大統領官邸の建物は一番奥にあるので、そこまでゆっくり散歩が楽しめます。あまりに広いので、入り口で並んでも中に入ればゆったりしていて、混んだ感じはありません。日本庭園やゴルフコースまである敷地内には、珍しい植物も豊富。第二次世界大戦中にシンガポールを占領していた日本。その日本からの解放を象徴する、旧日本軍の大砲が展示されているテラスもあります。
大統領官邸の敷地内への入場料は、シンガポール人は無料、外国人はS$2と良心的です。官邸の建物内の見学は別料金で、建物入り口付近のチケット売り場で、シンガポール人はS$2、外国人はS$4の入場料を払う必要があります。1869年に完成した大統領官邸。内部は撮影禁止なのでご紹介できる写真はないのですが、一般公開日には各国の首脳から贈られた宝飾品が展示されていて、それぞれの国のお国柄が感じられます。日本の首相からの贈り物も飾ってあるので、探してみてください。
敷地内ではお土産販売コーナーも設置されています。筆者が行った時はイスタナのロゴが入ったマグカップなどが売られていました。すべて売り上げはチャリティーに寄付されるそうなので、よかったら覗いてみてください。
一般公開は通常午前8時半から午後6時。その間、敷地内では様々なパフォーマンスも楽しめます。また、敷地内の庭園を案内するガイド付きツアーもあります。一番最近にあった2015年11月の一般公開日には、オーケストラの演奏や、マレー舞踊、子供が喜びそうなフェイスペインティングやバルーンアートなどの催しがありました。
2016年一般公開のスケジュールは下記の通りです。
2月9日(旧正月の祝日)
5月1日(Labour Day の祝日)
7月6日(Hari Raya Puasa の祝日)
7月30日 (National Day 前の土曜日)
10月29日(Deepavali の祝日)
敷地内の素晴らしい自然と、大統領官邸をじかに見れるこの機会をぜひお見逃しなく!
【データ】
シンガポール大統領官邸 (Office of the President of the Republic of Singapore)
住所:Orchard Road, Singapore 238823 (Near Dhoby Ghaut MRT Station)
URL:https://www.istana.gov.sg/The-President/President-In-Office
一般公開時間 (通常): 08:30〜18:00
北野 洋子
2010年末よりシンガポール在住。元ロイター通信記者。
旅先では現地の人の生活を見るのが好きで、シンガポールでもホーカーセンターやローカル店での小さな発見を日々楽しむ。年間パスで何度も通うほどシンガポール動物園がお気に入り。