今冬はエルニーニョ現象の影響でカルガリー近辺は、ここかしこで「この冬はあったかいねぇ」という声が聞こえてきます。とはいえここはカナダ。暖かいといっても日中の気温は0℃を上回らない日がほとんどです。
冬は家に閉じこもりがちですが、思い切って真冬のハイキングなんていかがでしょう。寒いし、雪だらけだし、目的地まで行けないし。でも日にちと条件を組み合わせれば夏には見れない素晴らしい景色が待っています。
真冬のハイキングに出かける前に、まず天気予報をチェックしましょう。今日暖かくいい天気だったとしても明日極寒の雪なんてこともしばしば。必ず雪ではない日を選びましょう。冬の運転に自信のない人は雪が止んで3日くらいは避けた方がいいでしょう。3日もすれば幹線道路の雪はなくなることが多いです。
気温もマイナス10度を下回るとしっかりとスノーパンツにスノージャケット、ウインターブーツを履かないと厳しいです。薄着で行って寒くてしんどかったなんて嫌ですよね。できれば気温がプラスの日を選びます。カルガリー、バンフはシヌックという山からの偏西風が定期的に吹くため気温がプラスになる日も多いのです。
そして何と言っても晴れの日。気温が低くても太陽の光を浴びるだけで暖かく感じます。そしてなにより景色がきれいです。カルガリーはカナダでも年間通して日照時間が一番長い都市の一つです。
もちろん無理は禁物です。何らかの理由で少しでも不安があったら計画を中止するのも勇気です。特にキャンモア、バンフ以西のカナディアンロッキーでは目的地までの道が坂道やカーブの連続だったりします。また凍っていると思って歩いた川や湖の氷が割れる場合もあります。上の2枚の写真は夏と冬に同じ場所を撮りました。夏の写真を見るとここには流れの速い川が流れています。場所によっては雪崩の起きる危険もありますので事前の情報収集も大事です。
好条件が整ったら真冬のハイキングに出かけてみましょう。なかなか見れない景色が待っています。ちなみの上の写真は私が夏にこのコラムでリポートしたジョンストン峡谷のローアーフォールズ。滝のほとんどが凍っていて時が止まっているみたいです。
白柿 佳一
アメリカでマスコミ学の修士号を取得。在学中のインターンでニュース映像カメラマンを経験。帰国後、テレビ通販チャンネルのカメラマンとして11年勤務。2012年3月、アラフォーオヤジが妻子を連れてカナダ移住を実現。現在、カルガリー、バンフを中心にビデオカメラマンとして活動しながら、地元日系情報誌カルガリー・ウォーカーにもコラムを執筆中。