お茶の世界はどこの国も奥深いのですが、台湾を訪れるたびに台湾茶の清らかですっきりとした味覚に魅了されます。今回は数名の参加でしたので、本格的な台湾茶芸を受講できる人気の「竹里館」でのセミナーを日本から予約していきました。
黄オーナーの日本語のレクチャーには定評があり、そのお茶に対する情熱やお人柄は心あたたまり、日本のみならず海外からのお客様も多いと聞きます。
まずは「工夫茶」と呼ばれるお茶の淹れ方、「茶壺(ちゃふう)」と呼ばれる急須の持ち方など現地ならではの臨場感あふれるレクチャー。
先生の茶器のコレクションは素晴らしく、そんな「お宝」に囲まれた室内で、一同、台湾茶の魅力に、はまっていくのです。
「聞香杯(もんこうはい)」の使用方法と、お茶の香りについてなど、丁寧な講習が続く中、一杯ごとに変化する台湾茶のお味や香りに、ついつい感動の声も大きくなっていきます。
約1時間のセミナーが終了すると、階下で各自が教わったとおりにティータイムを愉しむことができます。
それぞれに「終了証」もいただき、「お作法」も楽しく「まねごと」で台湾茶を淹れて味わう極上のティータイムは旅の疲れも一気に吹き飛び、清らかな香りに癒され、自然と笑みもこぼれます。
お茶請けは、お茶が主役なので、まさに「脇役」。地味で定番ともいうべきものしか出てこないのはスイーツ好きの方には少し不満が残りますが、お茶の味わいを感じるには甘すぎるお菓子は厳禁。
台湾茶のもつパワーや香りを感じることが台湾茶道の本流ともいえます。
もちろん気にいった茶葉は「販売」コーナーもあるのでお持ち帰りできます。「清香茶」20g缶もお土産にいただけるというサービスもあり、台湾茶を知るうえで、まずは正統派の基本の知識を身につけることができる第一歩としては申し分のない「初級入門講座」なのです。
繁華街にありながら、一歩路地に入った落ち着いたお店の雰囲気は雑然とした人だらけの免税店などで行われるお茶のセミナーとは一線を隔します。
お味の違いがはっきりわかる「凍頂烏龍茶」「東方美人茶」も、おすすめです。
また「高山烏龍茶」は、どのお店にもあるのですが、品質面を考えると、信用のあるお店で購入するのが安全だといえるでしょう。
観光地の屋台などで販売されているものは台湾ではない別の国のお茶だという噂もあり、高価なものなので「産地」にはこだわりたい。お茶を愛するお店でこそ本物と出会えるのだと確信しています。
【データ】
店名:竹里館
住所:台北市民生東路三段113巷6弄15號
Tel:02-2717-1455、02-2717-1456
営業時間:10:00〜18:00
定休日:旧暦の大晦日〜1月2日
さて、翌日は同じく竹里館、黄オーナー経営の「禅風茶趣」の茶葉料理のお店に伺いました。
そこでまた前日のセミナーでいただいた同じ茶葉が販売されているので「買い足し」も可能です。
そして、こちらのお店では、マニアックに「台湾茶葉」でつくったフルコースをいただくことができるのです。
TEAの魅力がいっぱい詰まった空間で「台湾の本物」に出会う貴重な体験です。
油っぽい台湾料理に胃袋が疲れていても、胃腸に優しい茶葉料理は、お味も繊細で日本では体験できないレアもの。
そして、もちろんラストは余韻を残す台湾茶で締めくくりです。
【データ】
お店:禅風茶趣
住所:台北市松江路182號2樓
Tel:02-2567-8977
営業時間:11:30〜14:30 / 17:30〜21:30
定休日:旧暦の大晦日〜1月2日