フィレンツェの新しくなった劇場、ヨーロッパで一番モダンな劇場となり、音響、内部と人気はまずまずですが、以前のテアトロ・コムナーレが好みだという根強いファンもいます。ただ、フィレンツェは、イタリアオペラが生まれた街。オーケストラ楽団の評判もあり、観客は今でも誇り高く、オペラが始まると真剣に鑑賞します。客席の場所にもよりますが、劇場がモダンなだけに、服装はフォーマルではなくわりとカジュアルな感じでした。
オペラ・リゴレットはヴェルディ作曲、ヴェネツィアで初演され、テノールなら一度は歌いたいマントヴァ公爵の女心の歌はあまりにも有名です。このオペラが大成功し、ヴェルディは大作曲家として地位を得ました。ヴェネツィアのゴンドラ漕ぎの人たちは今でもよくこのテノールの歌を歌うそうです。
インド生まれの巨匠ズービン・メータは、現在79歳にも関わらず、全世界の劇場から引っ張りだこ状態。今年は自身が5回目となる毎年恒例のウィーン・ニューイヤーコンサートの指揮台に立ち、今月はこのフィレンツェのオペラ・リゴレットとナポリのオペラ・カルメンの掛け持ち。この大人気ぶりには脱帽です。
日本でも大変交流があり、2011年3月、偶然にもフィレンツェ歌劇場を率いて来日しましたが、11日東日本大震災に遭遇し、日程半ばで中止となりました。
しかし、2011年4月10日、単独で再来日し、震災の影響で外国人指揮者の演奏会の多くがキャンセルとなる中、東京・春・音楽祭のベートーヴェンの「第九」を指揮し、大演奏で熱狂的なスタンディング・オベーションを巻き起こしました。
皆さんもこのヨーロッパ1新しいモダンな劇場へ一度来てみませんか?
オペラのチケットも€10からとお手頃価格です。
さらに、劇場内のテラスからはフィレンツェの街が一望できます。
【データ】
フィレンツェオペラ劇場(Opera di Firenze)
住所:Via Vittorio Gui, 1, 50144 Firenze, イタリア
Tel:+39 055 277 9309
アクセス:フィレンツェの中央駅サンタ・マリア・ノヴェッラ駅前からトラム(路面電車)で約10分で劇場前に到着
ケイコ
大学卒業後、中学教員を経てイタリアミラノへ渡伊。フィレンツェ、ローマ、ナポリにも在住。昨年7月よりラスペツィアに移住。ローマ国立アカデミアサンタチェチーリア、イタリア国立音楽院修了。愛の妙薬でイタリアオペラデビュー。イタリアと日本で音楽活動を行う。趣味はF1観戦、ハーブティーを毎日飲む、メルカート(青空市場)で掘り出し物探し。ヨガ、ドッグシッター。兵庫県出身