「世界一美しい道」とも言われるオーストラリアのグレート・オーシャン・ロード(Great Ocean Road)。
オーストラリア大陸最南端の海岸線に沿って高低差のあるダイナミックなカーブが続き、その総距離は243kmにも及びます。
オーシャンというイメージから、ひたすら海沿いを走るかと思いきや、山間部の牧歌的な景色の中、古代植物が生い茂るグレート・オトウェイ国立公園(Great Otway National Park)などさまざまなロケーションを走り抜けるので、飽きることはありません。
果てしなくどこまでも続いていくような道は、内陸とはまた違ったオーストラリア大陸の広さを感じさせます。
メルボルンから西へ向かい約100km。サーフィンで人気の小さな町トーキー(Torquay)がスタート地点となります。
ゲートには「グレート・オーシャン・ロード」の文字が書かれており、左脇の駐車場は絶好の撮影ポイント。
せり出した石の上でゲートを背景にポーズを撮るツーリストで賑わっています。
途中にあるローン(Lorne)やアポロ・ベイ(Apollo Bay)など海辺のリゾートはゆったりと過ごすには絶好の場所。
穏やかなビーチや公園、グルメなレストランからオープンカフェ。
夏本番となるクリスマス頃は、休暇を過ごす人々で賑わいます。
しばらく走るとケネット(Kennet)という小さな町があります。
ここで休憩を兼ねて車を降りてみましょう。
赤い屋根が目印のカフェ・コアラ(Kafe Koala)という、小さなカフェがあります。オーストラリアらしい名前ではあります。コーヒーも軽い食事もなかなかおいしく人気があります。
が、実はそれだけではないのです。
なんとカフェのすぐそばで野生のコアラを見ることができるのです。
ほぼいつもいるとのこと。
コアラは夜行性なので昼間はほぼ寝ているのですが、この日はお腹が空いていたのかユーカリの葉をのんびりと食べていました。
それにしても、周りには民家もあるのに、普通にコアラが生活しているのでした。これもオーストラリアらしい光景でもあります。
やがて道は内陸部へと向かいます。
ゆるやかな丘陵地帯はさきほどとはうって変わって、視界に入ってくるのは緑に覆われた牧草地。
牛や羊が草を食み、のどかな景色が広がっています。
海岸線を眺めているのも単調になってきたかな?と思い始めた頃でもあり、再び車窓に目を向けます。
3時間を過ぎ、そろそろかなと思った頃にやっと到着したのは、グレート・オーシャン・ロードの中でも一番の見所といってもよい十二使徒(Twelve Apostles)です。
海岸線に沿って並ぶ奇岩は、波や潮風によって侵食された花崗岩。
それがまるでキリストの最後の晩餐の12人の使徒のように見えるということから名付けられたそうです。
過酷な自然の中にあるため侵食は進み、現在残っているのは数体。
それでも光がさすと、神々しいほどの絶景が姿を現します。
なんと言ってもそのスケールと距離感に圧倒されます。
写真からは想像もつかない広がりを改めて感じることができるに違いありません。
【データ】
グレート・オーシャン・ロード(Great Ocean Road)
URL:http://www.australia.com/ja-jp/places/great-ocean-road.html(オーストラリア政府観光局公式サイト)
十二使徒(Twelve Apostles)
住所:Great Ocean Rd & Booringa Rd, Princetown VIC 3269
Tel:1300 137 255
営業時間:9:00〜17:00
URL:http://parkweb.vic.gov.au/explore/parks/twelve-apostles-marine-national-park
アクセス:メルボルン発の十二使徒まで日帰りを含むツアーがいくつか催行されている。車の場合レンタカーで十二使徒までメルボルンから約4〜5時間。
逗子 マリナ
広告代理店、コミュニティ紙の取材記者、その後フリーランスへ。雑誌ライター、ムック本コピーライターの他、現在は主にWebを中心に寄稿。今まで訪れた国は約30カ国。アメリカ、オーストラリアと海外在住歴はのべ8年。現在はクアラルンプール在住。旅は寄り道や偶然に発見が多いので自分で車を運転していくのが好き。