水の都・ベネチア。たくさんのお店やレストランが並ぶ活気のある本島から離れたところに、「ムラーノ」という島があります。ここは有名なベネチアンガラスを作るための工場がある島。重要な輸出製品であるベネチアンガラスが他国に模倣されることを恐れたため、1291年にすべてのガラス工場をここムラーノ島に集め、そのすべての関係者をこの島に強制移住させたそうです。
街中のいたるところに、かわいいベネチアンガラスのお店が並んでいます。その色彩の豊かさも特徴で、約三万色ものバリエーションがあるというカラフルで美しいガラス細工は同じ商品でもガラスの模様や並びが違うだけで、表情が変わって見えてきます。じっくり見てお気に入りを見つけたいですね。
ここでは手作り用のガラスパーツを取り扱うお店も多く、グラム単位で販売しているところも。お店によって販売しているガラスの種類やデザインもさまざま。お土産探しの時間がいくらあっても足りないですね!
船着き場からほど近いガラス工場内の工房では、ガラス細工の制作過程を見ることができます。4、5カ国語を使い分けて説明をしてくれる工場スタッフに驚きでした。
メインの通りから小道に入ると、閑静な住宅地。ピンクやオレンジの壁がかわいい街並みです。窓辺にガラス細工の花を飾る家や、ガラスのモザイク画が埋め込まれた壁もあり、散策中も退屈しません。
ショッピングの後の待ち合わせ場所には、大きなガラスのオブジェがある時計塔が目印になりそうです。近くにはカフェやレストランも多数あるので、休憩しながらお買いものを楽しみましょう。
ムラーノ島まではヴァポレットという水上バスを利用して向かいます。ベネチア本島からムラーノ島行きの船着き場は計4か所。ローマ広場(P.le Roma)、サン・マルコ広場(San Zaccaria)、サンタルチア駅(Ferrovia)、フォンダメンタ・ヌォーヴェ(Fondamente Nove)です。所要時間が最も近いのはフォンダメンタ・ヌォーヴェからで約10分。それ以外の船着き場からは3、40分程度です。
佐藤 ゆか
日本で情報誌などの編集を経て、2014年ルクセンブルクに移住。趣味は旅行と食べ歩き。英語とフランス語に日々奮闘しながら海外の魅力をレポートしていきます。