4年に一度のスポーツの祭典オリンピック。その発祥と言われるのが、ギリシャのペロポネソス半島にある街「オリンピア」です。紀元前10世紀頃には全能の神ゼウスの聖地として栄え、ゼウスにささげるためにオリンピックを開催していたそうです。この街は19世紀末に発掘され、1989年には世界文化遺産に登録されました。写真のフィリピオン跡は紀元前338年のカイロネイアの戦いの戦勝記念に建てられたものだとか。
現在でもオリンピック開催前には、このヘラ神殿で凹面鏡を使って太陽光を集め、聖火を灯す式典が行われます。2020年に開催される東京オリンピックもこの地から灯された聖火が長い道のりを経て運ばれ、会期中、競技参加者たちを見守ってくれます。
約64m×28mの広い遺跡跡地に建っていたのはゼウス神殿。当時は6本×13本の柱で支えられていた神殿も今では一本を残すのみです。
遺跡郡の中には、神々が祀られていた神殿や、浴場跡、建築家・ペイディアスの仕事場跡なども見ることができます。ほとんどが土台を残すのみですが、その建築様式や建物の規模を想像することで、当時の空気を肌で感じることができることでしょう。
緑の芝生に囲まれた競技場跡。当時は短距離走、円盤投げ、レスリングなどの競技が行われていたようで、訪れた観光客の中には短距離走をする姿も。この開放的な競技場、確かに走り出したくなりますね。
オリンピア遺跡内ではたばこはもちろん、三脚を使用しての撮影も遺跡を傷つける恐れがあるためNGです。スタッフさんがあちこちにいて、遺跡保存のため注意を呼びかけています。もちろん遺跡に乗って写真を取るのもだめですよ。マナーを守って古代遺跡をご堪能ください!
【データ】
オリンピア古代遺跡群
所在地:Archaeological Site of Olympia, Archea Olimpia, Greece
アクセス:アテネから長距離バス「KTEL」を利用して約5、6時間
URL(バス会社):http://www.ktelbus.gr/
佐藤 ゆか
日本で情報誌などの編集を経て、2014年ルクセンブルクに移住。趣味は旅行と食べ歩き。英語とフランス語に日々奮闘しながら海外の魅力をレポートしていきます。