メキシコシティに旅行に来る方の中には、ベジャス・アルテス宮殿の国立民族舞踏団の公演を楽しみにされている方も多いと思います。しかし、同じ劇場を拠点とするもう一つの国立舞踏団があることを知っている方は、少ないのではないでしょうか。
「民族」の文字が入らない「国立舞踏団(Compañía Nacional de Danza)」は、1963年創設のメキシコクラシックバレエ団(Ballet Clásico de México)を基としており、1974年に現在の名前に改称されてから現在に至るまで、クラシック、オリジナルの様々なバレエ作品を上演しています。
特筆すべきは、この日本の裏側のバレエ団でプリマ(最高位の女性ダンサー)を務めているのが、日本人であること!2013年より、二瓶真由子さんがプリマとして、「白鳥の湖」等、日本でも有名な作品で活躍されています。
さて、バレエファンにとって、クリスマスお馴染みの作品と言えば、「くるみ割り人形」。それはこちらメキシコでも同じで、12月に入ると様々なカンパニーが、全国各地で「エル カスカヌエセス(El Cascanueces:くるみ割り人形)」を上演します。国立舞踏団の公演は、12月17日から20日の4日間、チャプルテペック公園の国立劇場(Auditorio Nacional)で行われます。
メキシコでバレエ鑑賞?と首をかしげる方もいらっしゃると思いますが、わざわざオススメしたいのは、日本人がプリマであることに加えて、何といってもチケットの値段が安く、かつ、入手しやすいからなのです。国一番の劇場、バレエ団の公演であるにも関わらず、この「くるみ割り人形」、一番良い席でも$656で見ることができます。同じ条件で日本だったら最低でも倍はしますので、私はメキシコに暮らすようになってから、日本に居た頃よりずっと気軽にバレエを楽しめるようになりました。
面白いのは、チケットの売れ方。日本でバレエは一般的に一番前の高い席から順に売れていきますが、メキシコでは一番後ろの安い席と一番前の高い席が先に売れ、中間の席が最後まで残っています。
経験上、席にこだわらなければ当日券が買える可能性は高いのですが、やはり事前予約が確実。チケットマスター(ticketmaster)のサイトから座席指定で購入できます(表示言語は英語に切り替え可能)。
エキゾチックな伝統舞踊も良いけれど、せっかくのクリスマス、この季節しか見られない定番を楽しんでみるのも良いのではないでしょうか。
【データ】
国立舞踏団(Compañía Nacional de Danza)
URL:http://www.companianacionaldedanza.bellasartes.gob.mx/
チケットマスター(ticketmaster、「くるみ割り人形」チケット購入ページ)
URL:http://www.ticketmaster.com.mx/El-Cascanueces-boletos/artist/804130?tm_link=edp_Artist_Name
Sayaka
初めてのメキシコは、一年間の語学留学で訪れたメキシコシティ。今は仕事の都合で、二度目のメキシコ生活を通称「美男美女の街」「肉の街」のモンテレイで送っています。(名前に偽りなく、確かに美男美女は多いし、肉は美味しいです!)旅先で欠かせないのは、スーパーマーケット巡り・絵葉書を書く・各地の公共交通機関に乗ること。まだまだ旅行情報の少ないメキシコ、自分が「あったら便利」と思う情報を、どんどん共有していきたいと思います。