先日、ニューヨークのマンハッタンで用事があり、夫とふたりで街角のイタリアン・レストランで食事をした時のことです。私達のテーブル担当のサーバーの男性が、私が持っていた2つのカメラのうちのN社のカメラに気がついて色々と問いかけてきました。彼は、その店でもサーバーとして働いているけれど、写真家として様々なイベントの撮影を手掛けており、私がまだ使い慣れていないそのカメラの方を近々買うつもりだということでした。
支払い間際まで、「グリニッジ・ビレッジでぜひ立ち寄った方が良いお店3軒」「特に、全米屈指、トップ10に入るカップケーキのお店はすぐ裏手にある」などという話題を提供し続けてくれたその男性の話に耳を傾け、お礼を言って店を出て、近くを散策してからレストランが建つ十字路に戻ってみると、なんと彼は、舗道に設えられたテーブル席の脇で私達を待ち構えていて「あのお店は、どうでしたか?」と訊くではありませんか。
彼の真摯な姿勢に心を打たれて踵を返し、すぐ裏手に建つその「モリーズ・カップケーキ(Molly's Cupcakes)」の店内に入ってみると、真っ先にブランコが視界に飛び込んできました。カップケーキのディスプレイもカップケーキ自体も、店内は何もかもお茶目で魅力的。わくわくするような雰囲気に、思わず「写真撮影を許可して頂けますか。」とお願いしてしまいました。
どのカップケーキがお薦めなのか店員さんに尋ねてみると、スポンジにフィリングが入っているカップケーキ(Center Filled Cupcake)の中で、特に売れ筋なのは、ブラウン・シュガー、シナモンとピーチ・ピュレーのシュトロイゼルのフィリング入りの「ピーチ・コブラ―(Peach Cobbler)」と「クリーム・ビュレー(Crème Brulee) 」ですって。「クッキー・モンスター(Cookie Monster)」も薦められました。クッキー・モンスターというので、どんな怖いモンスターが登場するのかと思いきや、差し出されたのは、チョコレート・チップのトッピングのホイップクリームにチョコレートチップ・クッキーが挟んであり「ケーキの中には驚きの秘密のフィリングが隠されている」というカップケーキでした。
24種類の中から好きなフィリングを選ぶことができるスペシャルオーダーも受け付けており、ビーガン用のカップケーキも用意してあるとのことなので、ベジタリアンやビーガンのための食事を心がけている人やダイエットに特別な配慮が必要な人にとっては、嬉しい限りです。
3つのカップケーキをきれいに箱詰めして頂いて駐車場へ戻る途中、角のイタリアン・レストランの外で、真っ白いテーブルカバーが掛かったテーブルで甲斐甲斐しくお客様の相手をしながらちらっとこちらに目配せしてみせたくだんのサーバーの男性を見とめて、彼に向かって、小さなカップケーキが3つだけ入った仰々し過ぎるほど大きなバッグをかざしてみせたことは言うまでもありません。
【データ】
店名:モリーズ・カップケーキ(Molly's Cupcakes)
住所:228 Bleecker Street New York City New York 10014
Tel:212-414-2253
e-mail:_ny@mollyscupcakes.com
URL:http://www.mollyscupcakes.com/ny/home.aspx
ベーカリーの営業時間(BAKERY HOURS):月曜日(12:00~22:00)、 火~木曜日(8:00~22:00)、金・土曜日(8:00~24:00)、 日曜日(9:00~22:00)
舞林鳥 恵
80年代後半から日米間を往復する暮らしを始め、現在DCから小一時間の田舎町で夫とのふたり暮らしを満喫しています。カントリーライフの醍醐味をHappyNest in Americaにて配信中。ワシントンDC周辺の観光名所や魅力的な穴場スポットの情報をお届けします。