シアトルといえばカフェ、またゴールドラッシュや林業で発展した町ということからカジュアルダイニングのイメージが強いのですが、ヨーロッパからのさまざまな文化の終着点として人々はその様式を大切に守ってきました。
ダウンタウンにあるフェアモント・オリンピックホテル内の「ザ・ジョージアン」のアフタヌーン・ティーは、まさにそんな歴史を彷彿とさせる雰囲気に包まれています。
レストラン「ザ・ジョージアン」のあるフェアモント・オリンピックホテルは、もともとはワシントン大学として1861年に建てられたものでした。ところが第一次大戦後の町の発展につれ第一級の宿泊施設の需要が高まったために大学は移動する事になり、ザ・オリンピックとして1924年に開業しました。この名前は新聞社が一般公募したなかから選ばれたものです。
長年のうちにはオーナーが変わることもあり、そのたびにウエスタン、フォー・シーズンズ、そして現在のフェアモントへと冠するホテル名も変わりましたが、オリンピックという名前はそのまま継承されています。
1980年代からのバブル期にはシアトルでトップのホテルとして、日本からのビジネスのお客様は皆さんオリンピックホテルに滞在なさっていました。今や大統領や国賓が訪れた折りに使われるウエスティン・ホテルは当時は二の次で、「日本料理の"日光"が入っているから食事には行くけれど泊まる所ではない」と言い切るお客様もいらっしゃいました。
建物内に入ると昔ながらのホテルの常で照明は落とし加減、落ち着いた雰囲気です。ブティックホテル等に慣れた方にはロビーが暗めに感じられるかもしれません。その向こう側、大きく開かれた扉から明るく自然光が差し込んでいるのが「ザ・ジョージアン」です。
テーブルにつくとメニューを渡されます。コースは1つですが紅茶は10種類のなかから選べます。お煎茶やジャスミン茶も入っていたのが意外でした。
そのなかから私達が選んだのは1907ブレンドというオリジナルのもの。とてもいい香りでした。もちろん全員が同じものを頼んでも1人分ずつ可愛いポットが運ばれ、最初の一服を注いでくれます。
追加でカクテルをつけることも出来ます。私達は頼みませんでしたが、他の女性客のグループにはミモザが人気のようでした。
メインのプレートがくれば、あとは楽しいおしゃべりに花を咲かせます。スコーンの他はみんな1口ずつ。どれも宝石のように綺麗で美味しくて、頂いてしまうのがもったいないと思えるほどでした。
今回は時間が限られていたため予約を入れましたが、普段の時には特に必要ないようです。また、まとまった人数の集まりのために個室の用意もありました。
何かと忙しい日々ですが、たまには少しおしゃれして優雅なひと時を持つのもいいものですね。
【データ】
店名:フェアモント・オリンピックホテル「ザ・ジョージアン」
住所:411 University St., Seattle, WA 98101
Tel:(206) 621-7889
URL:http://www.fairmont.com/seattle/dining/thegeorgiantea/
時間:月〜金曜日(11:30~14:30)、土・日曜日(12:00~14:30)
料金:大人$39(カクテル付は$49)税&チップ別、子供$18(4歳〜12歳)4歳未満は無料
ドレスコード:スマートカジュアル。ジャケット着用は必要ありません
11月27日〜12月30日まで、ホリデー・ティー(大人$65ドル、子供$25)を開催しています
当日の通常のアフタヌーン・ティーの有無については、お問い合わせ下さいとのことです。
Eko
夫の転職に伴い渡米、シアトルに住み着いて、気が付けば20年になりました。仕事、子育て、学業と突っ走って来ましたが、2011年3月の震災をきっかけに、微力ながら復興のお手伝いをさせて頂いています。長年住んでいるからこそ知っている昔話など交えつつ、大人の、または家族で、そして子供向けと、シアトルの色々な楽しみ方をお届けします!