台湾土産の定番と言えば、パイナップルケーキだ。しかし、いざお土産にパイナップルケーキを買おうとすると、台北市内はパイナップルケーキだらけで、どれを選んでいいのか迷ってしまう。
ばらまき土産用にとにかく安いのを探したいなら、スーパーで買うのが一番いい。もちろん、味はそこそこで、パサパサしたものが多い。
値段はさておき、とにかく美味しいパイナップルケーキを探してみた。免税店やお土産店で売っているものは除外し、こだわりのパイナップルケーキだけに的を絞って5品を紹介する。
「微熱山丘(サニーヒルズ)」、味でパイナップルケーキを選ぶ場合、最近ではこのお店が基準になっている。
松山空港近くの、閑静な住宅街の中にあるおしゃれなパイナップルケーキ専門店である。
店舗内は、おしゃれな喫茶店のようになっている。
ここで、パイナップルケーキをまるまる1個試食させてくれる。さらに、お茶までついている。
10個入りで420元(約1600円)。日本産の小麦、ニュージーラン産のバターを使い、餡は100%パイナップルと素材にこだわった高級品だ。
「台湾で一番おいしいパイナップルケーキ」と言われているだけあって、確かに味はいい。皮はしっとりとして上品な味わいで、中身の餡がなくても十分においしい。餡は、かむとシャリシャリと音がするほどパイナップル感が残っており、甘すぎず、やや酸味が強い。一つが大きく、バターが効いていてこってりしているので、少々重たい感じもある。
実はこのお店、東京の青山にも出店している。東京在住の方は、わざわざ台北で買わなくてもいいかもしれない。また、味も確かにおいしいが、個人的には、もう少し甘くてもいいのではないかとも思う。
「台北で一番おいしい」と言われるこのパイナップルケーキの対抗馬を、以下でご紹介しよう。
「アモ(Amo)」というケーキ屋さんのパイナップルケーキを紹介しよう。本店は、龍山寺駅から10分ほどの場所にあり、洋菓子がメインのお店だ。上の写真は、台北駅構内にある出店である。その他、台北駅地下街などにも店舗がある。
金のパイナップルケーキ、黒のパイナップルケーキの2種類がある。4個ずつの詰め合わせが、300元(約1200円)である。
左の金のパイナップルケーキは、パイナップルだけでなく冬瓜が入っており、甘みが強い。黒のパイナップルケーキは、パイナップル100%で微熱山丘のものに近い食感で甘さ控えめ。しかし、微熱山丘よりはやや甘い。
皮はサクサクしており、洋菓子やクッキーに近い味だ。
2種類あるのもうれしいし、いずれもおいしい。サイズもちょうどよく、食べやすい。私としては、「微熱山丘」の一番の対抗馬として押したい。
続いては、ホテルのパイナップルケーキ。オリジナルのパイナップルケーキを出しているホテルがいくつかあるが、そのなかでも「リビエラホテル」のケーキショップ「ウイエ(oeillet)」が出しているものは定評がある。
10個入り、450元(約1800円)。微熱山丘よりも、さらに高額だ。しかし、味の方も高級感がある。豪華な雰囲気のパッケージが良い。
皮が薄く、餡がしっかりつまっているタイプ。どちらかと言うと甘さ控えめで上品な味。やや酸味があるが、微熱山丘のものよりは弱い。皮が薄い分、バターのこってり感が抑えられて食べやすい。
ガイドブックによく掲載されており、日本人のお客も多い台湾茶のお店「新純香」。もちろん、商品は台湾茶がメインだが、お茶菓子も充実している。その一つに、パイナップルケーキもある。
パイナップルケーキ3個入り、120元(約450円)。お土産用ではなく、あくまでもお茶菓子として売られているので包装も簡素だ。
このパイナップルケーキの特徴は皮にある。分厚く、サクサクしており、ナッツが入っている。餡は、少な目で酸味はほとんどなくジャムのような感じだ。スコーンにジャムを塗って食べている感じに近い。確かに、お茶請けとしては最適だ。
最後に、日本人向けのガイドブックやネットでは、ほとんど紹介されていないお店を紹介する。
台北駅構内を歩いていると、多くのお店が並んでおり、パイナップルケーキだけでお腹がいっぱいになるほど試食ができる。とにかくパイナップルケーキを売っている店が無数にある。さんざん試食をして、その中で1軒おいしい店を発見した。
「陳充宝泉」というお店で、創業者の陳充氏が1908年に開業、1940年代には東京の立川にも店舗を構えていた。このため、今でも一部和菓子も扱っている。現在、本店は台中にあり、支店は台北駅の1店舗のみだ。
6個入りのパイナップルケーキが、210元(約800円)。
パイナップルケーキ以外にも、太陽餅というパイのようなお菓子や、キャラメル味のヌガーなどがあり、どれもクオリティーが高い。本店は台中にあり、支店は台北駅のみ。
こちらは、皮よりも餡の存在館が際立っているタイプ。パイナップルのシャキシャキ感が残っており、酸味もやや強めだ。
これ以外にも、もう一種類パイナップルケーキがある。12個入りのみで、試食をしたが、紹介したものに比べかなり甘い。甘めがお好みの方は、こちらの方がいいかもしれない。
台湾には、無数のパイナップルケーキがある。お土産店やスーパーには、様々な種類のものが並んでいるし、ケーキ屋、パン屋、お茶屋、ホテルなどにもある。そんな中で、どれがベストかを決めるのは難しいが、今回は、こだわりを持って作られたクオリティーの高いパイナップルケーキを選んでご紹介した。お土産にパイナップルケーキを買う際、参考にしていただければと思う。
【データ】
店名:微熱山丘(サニーヒルズ)
住所:台北市民生東路五段36巷4弄1号1F
最寄駅:松山機場駅(徒歩15分)
営業時間:10:00~22:00(年中無休)
店名:アモ(Amo)
住所:台北市艋舺大道184号1F
最寄駅:龍山寺駅(徒歩10分)
営業時間:9:00~21:00(日・祝は20:00まで)
※台北駅店は、1階の中央広場近く
店名:ウイエ(oelliet)
住所:台北市(10461)林森北路646號 リビエラホテル内
最寄駅:中山国小駅(徒歩5分)
店名:新純香
住所:台北市中山北路1段105巷13-1號1樓
最寄駅:中山駅(徒歩5分)
営業時間:10:00~22:00(旧正月期間休)
店名:陳充宝泉
住所:台北駅1階(忠孝東路側の入口近く)
阿部 吾郎
24年間旅行会社に勤務した後、2013年に独立し「トラベルガイド株式会社」を設立。「人がそこに行きたくなる写真」をテーマに国内外で写真撮影を行っている。同社が運営するマレーシアの旅行情報サイト、トラベルガイド・マレーシアにも自身で撮影した写真が多数使われている。その他、旅行写真素材の販売、旅行記事の執筆、旅行会社へのコンサルティングなどを手掛る。最近はマレーシアに年4~5回程度渡航。その他、旅行会社時代の経験も含め得意な方面は、台湾、香港、マカオ、シンガポール、アイスランドなど。