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地元で知らなきゃモグリと言われる豚カルビ&焼き冷麺がウマい!

   
八田 靖史
八田 靖史
 
友人が熱心に薦めてくれたテジカルビ。タレで味付けされている

なんでも先入観というのは恐ろしいものです。先日、韓国南西部の光州(クァンジュ)という町を訪れるにあたり、地元の友人に光州ならではの美味しい料理を尋ねました。早速返ってきたのがテジカルビ(豚カルビの焼肉)。いい店があるようで、これまで誰を連れていっても喜ばなかったことがない、と自信満々に語ります。でも、求めているのはそうじゃないんですよ。テジカルビなんてどこでも食べられるじゃん。あまりにありきたりじゃん。もっと光州らしいものはないのかと。

肉を載せて焼く前に、まず鉄板のふちにヤカンで液体を注ぐ

で、その豚カルビを頭の片隅に追いやったまま、実際に光州を訪れまして、また別の友人がまず連れていってくれたのがテジカルビの店。そう、おんなじ店。到着した瞬間にもう1度思いましたね。テジカルビなんてどこでも食べられるじゃん。あまりにありきたりじゃん。もっと光州らしいものはないのかと。でも、違いました。席に座って、テジカルビが運ばれてきて、鉄板と炭火が用意されて、店員さんが鉄板のふちになにやらヤカンで液体をじょぼじょぼ。え、なんですかそれ? ユクス(ダシ汁)? 中身は? え、絶対に秘密?

鉄板の中央に肉とマッシュルームを載せて焼き始める

戸惑っている間に、テジカルビが鉄板の上でジュー。中央が盛り上がっているので肉汁がじわじわと落ち、ふちに注いだダシ汁へと溶け込んでいきます。日本的にはジンギスカンを想像させるところですが、韓国的には老舗のソウル式プルコギ(牛焼肉)を思わせる調理法でもありますね。でも、テジカルビとしてはずいぶん珍しいスタイルです。

鉄板はふちの部分を残し中央だけ焦げたら替えられる作り

お店の人の説明によれば、ときおりダシ汁の中へ肉を落としながら焼くのが作法とか。肉にダシ汁の風味をまとわせ、ダシ汁のほうには肉のうま味を溶け込ませ、さらには冷めたり、焼けすぎたりするのを防ぐ意味合いもあるそうです。ふむ。

タレのほか葉野菜に包んだりタマネギサラダと一緒にも味わう

ほどよく焼けたら、特製のタレにつけてパクリ。そして衝撃。こ、これは美味しいけれどもずいぶん甘い。テジカルビとしてはかなり甘めの味付けですが、それでも嫌なしつこさはなく、絶妙なさじ加減で「甘ウマイ」感じ。肉質も柔らかく、甘い、甘いなと思いつつも、手が止まらずにバクバクと食べてしまいます。この時点でようやく、光州の友人らが熱心に薦めてくれた理由がわかりました。

大勢でシェアしながら、おもに酒の肴として味わう冷麺

やっぱり地元情報は大事にするべきなんですよね。自らの先入観をおおいに反省しつつ、こちらもおすすめだというスユクチェンバン(茹で肉入り冷麺)にも手を伸ばします。皿の左から薬味ダレを絡めた麺、中央に茹で卵、千切りの梨とキュウリ、右に茹でた牛肉のスライスと野菜の和え物。いわゆるピビムネンミョン(混ぜ冷麺)を皿上で分解したような姿ですが、全体を混ぜて食べると、これもまた甘ウマイ薬味ダレがいい仕事をしています。

ひと通り焼肉を食べ終えた時点でサンチュやエゴマの葉を敷く

なるほど、この店は全体的に甘めの味付けなんだな、と納得していると、なにやらまた不思議な儀式が始まりました。テジカルビを食べ終えた鉄板のうえに、サンチュ? それを敷くの? それで、麺?

麺はすべて手打ち。下味として甘めのタレを全体に絡めてある

下茹でをした冷麺の麺をどちゃっとかぶせます。目を丸くしていると、友人がしてやったり顔で、「これはねぇ、メニューにはないんだけどね。プルサリって言ってね。簡単にいえば焼き冷麺なんだね。光州市民なら誰もが知っている裏メニューで、この店に来たら必ず食べるものなんだよ」とにんまり笑います。一応、検証のためメニューをすべてめくってみますが、確かにプルサリなる名前はありません。

麺の食感はとろとろに柔らかいが一部は香ばしくパリパリにもなる

店員さんが慣れた手さばきで鉄板のふちに麺をまとめ、ダシ汁に浸していきます。後でわかることですが、ここで麺がダシ汁を吸うんですね。同時に豚肉のうま味も吸い込むと。そしてほどよくてろんてろんになったら、また鉄板の中央へと移動。このあたりで食べてもいいですよ、との許可が下りて食べてみると、なんというかとても不思議な食感でしたね。くちびるにまとわりつく感じというか、口全体をくすぐる感じというか、それでいて味付けはこれまでと同じでとっても甘ウマイ。脳ミソの深いところをざわざわ刺激するような、めくるめく体験なのでした。

忠壮路(チュンジャンノ)という光州いちばんの繁華街に位置

お店の名前は「ファンソルチョン」。テジカルビなんてどこでも食べられるじゃん。あまりにありきたりじゃん。もっと光州らしいものはないのか、という先入観は木っ端微塵に砕け散り、すごいぞ光州のテジカルビ派へと宗旨替えをしたのでした。このテジカルビと焼き冷麺のためだけにでも光州へまた行こうと思いますね。お世辞でなく。

<物件データ>
店名:ファンソルチョン(황솔촌)
住所:光州市東区中央路160番キル16-36(湖南洞73-2)
住所:광주시 동구 중앙로160번길 16-36(호남동 73-2)
電話:062-222-4815

八田 靖史

八田 靖史
1999年より韓国に留学し、韓国料理の魅力にどっぷりとハマる。2001年より執筆活動を開始し、最近は講演や、企業のアドバイザー、グルメツアーのプロデュースも行う。著書に『魅力探求!韓国料理』(小学館)、『八田靖史と韓国全土で味わう 絶品!ぶっちぎり108料理』(三五館)ほか多数。ウェブサイト「韓食生活」を運営。2015年より慶尚北道栄州(ヨンジュ)市広報大使。

    

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