シンガポールに行ったら、観光地だけでなく、地元の人たちの生活を垣間見たいという方にオススメしたいのがローカルの日用雑貨店。HDBという公団住宅が多い住宅地や駅の近所、ホーカーセンターなどに隣接してることが多く、シンガポール全土どこにでもあります。行ってみたいけど何となく入りにくい、と旅行者の方は思うかもしれませんが、気楽に考えて大丈夫です。安くて面白いローカル雑貨を発掘しに行ってみませんか?
日本でいうと昭和な感じの商店街。シンガポールではまだまだ普通の風景です。生活感あふれる日用雑貨店には、所せましとキッチン用品から工具、収納ボックス、掃除用品、文房具、オモチャ、DIYグッズまで並んでいます。私がお店に入るとよく中国語で話しかけられ、たぶん「何かお探しですか」などと聞かれているんだと思うのですが、そういう時は「ちょっと見ているだけです (I am just looking) 」と英語で返事すれば放っておいてくれます。もちろん、「こんなものありますか?(Do you have something like this?) 」と説明したり写真を見せれば、店員は対応してくれます。そして、値段表示もしっかりしているので、ぼられる心配もなければ、値段交渉する必要もなく気楽です。
私の家の近所のクレメンティ地区やウエストコースト地区 (Clementi, West Coast) にも日用雑貨店は沢山あります。特に地下鉄MRTクレメンティ駅に隣接するホーカーセンターの周りには、シンガポール人の生活を感じられるローカル店が多く、私は用がなくても見るのが楽しくてよく行きます。5年間の在住生活を通じて見つけたローカル雑貨を何品かご紹介します。
メラミン食器は安くて丈夫。子供用の食器にしてもいいですし、私は何度か洗面所のコップを歯磨き中に落として割ったことがあるので、現在は写真右下のコップを使っています。値段も大きさや種類によって違いますが、S$1〜S$5くらいです。
チキンライス屋さんなどで見かけるニワトリ柄の食器シリーズも、メラミン製が日用雑貨店には売っていて、こちらもS$1くらいからとお手頃価格。
東南アジアでよく見かけるバナナリーフ皿。本物のバナナの葉で作ってあるものは持って帰れませんが、プラスチック製のものなら、シンガポールの思い出にもなりますし、家で焼きそばやフルーツなどを出すときに使ったりもできそうです。私も数年愛用していますが、丈夫で傷もつきにくいです。
昔も今も変わらないグッドモーニング・タオル (Good Morning Towel) 。シンガポール人で知らない人はまずいないでしょう。シンガポールでは朝の洗面、あるいはキッチンで活用され、最後は雑巾としても長年愛され続けています。レトロな感じのプリントも素敵です。生地は、よく温泉宿でもらうお風呂セットに入っているようなタオルと同じで、薄くて早く乾くタイプ。スーパーでもよく売っていますし、2015年はシンガポール建国50周年ということで、このタオルで作った巾着やグッズなども街で見かけました。
カラフルなドアストッパーは日用雑貨店では定番商品。ゴム製でサイズもいくつかあり、玄関だけでなく個室のドアストッパーとしても重宝します。値段もS$0.7〜S$1くらいと安くてびっくりです。うちでも何年か使っていますが、ゴムが劣化することもなく、部屋それぞれのテーマ色と合わせたりして楽しんでいます。
そして、食べ物をハエなどからまもりつつ一時保存する蠅帳(はいちょう・はえちょう)も日用雑貨店で見つけ愛用しています。冷蔵庫やラップなどがあるので最近はあまり見かけなくなりましたが、食卓カバーやフードカバーとも呼ばれるこの商品は、子供と夫の食事の時間が微妙にずれ、食卓におかずを出したままにしておきたい時に便利です。また、離乳食を冷まして待つ間などにも重宝しました。ごみも出ないし電気も要らないエコな蠅帳は、シンプルかつカラフルでちょっとおしゃれな感じさえします。
日本の100均ショップはシンガポールでS$2ショップとなるので、それよりも安価で面白い商品が多い日用雑貨店。旅行中にもし見かけたら、一度のぞいてみてはいかがでしょうか?
北野 洋子
2010年末よりシンガポール在住。元ロイター通信記者。
旅先では現地の人の生活を見るのが好きで、シンガポールでもホーカーセンターやローカル店での小さな発見を日々楽しむ。年間パスで何度も通うほどシンガポール動物園がお気に入り。