サハラ砂漠を見たい!とマラケシュからの砂漠ツアーをもくろんでいたときに、目についたフィントオアシス。オアシスという言葉は知っていますが、どんなところだろう、と興味は深々。観光ルートのワルサザードを外し、フィントに1泊することにしました。
ワルサザードの町からメルズーガに続く道からそれて、一応フィントという標識はでているものの、ほとんどオフロードのような道を行くこと30分ほど。写真のような、岩と砂だけ、という風景に突然やしの木などの緑が現れます。そこから数分、川が見え始め、橋もないので4WDで浅瀬を渡り、オアシスに到着。なるほど、水があるからこその緑、そしてその周辺に集落、生活、という納得。
泊まったのはテラス・デ ・デリス(Terasse des Delices)というオルベージュ。ミントティーのウェルカム。テラスで夕日が沈むのを見ました。
夕食は他のお客さんと一緒にダイニングルームで。スイスから来たという2人組みの女性と、モロッコ旅行の話をし、情報を交換しながらの楽しいディナー。砂漠の夜は私の行った3月では肌寒いので、やしの枝を暖炉で燃やしていました。ディナーのあとは、さっきまでウェイターだった従業員がドラムを持ち出してベルベル音楽の即興会。誘われるまま、ベルベルダンスのステップを見よう見真似で踊ってみました。
次の朝は早起きして朝食前に川沿いの散歩。学校に行くのか、子供たちもちらほらみかけました。ろばをひく人もいます。オルベージュ近くまで戻ってくると、きのうのアブドゥル君が村の共同オーブンを見に行かないか、と誘ってくれました。オーブンでは村の女性がパン焼きの順番を待っていました。パン生地と燃料のやしの葉を持参して、このオーブンで焼くのです。言葉はわかりませんが、私も村の女性と座り込み、お母さんと一緒にパンを焼きにきた3才くらいの女の子と話(?)をしました。味見をどうぞ、といわれたので、やきたてのパンをかじってみました。
マラケシュやフェズ、カサブランカなどの都市とはちがった素朴な魅力です。
【データ】
ラ・テラス・デ・デリス(La Terasse de Délices)
URL: https://terrassedesdelices.com/
アクセス: ワルサザードかマラケシュからのピックアップ。
林 恵美
関西外大からフィンランドに留学、大学卒業後、トゥルクに移住して今年で20年。現在、トゥルク地域開発センターでビジネス開発に関わっています。個人旅行のテーマは料理・食べること・写真。好奇心に任せて市場やスークを歩き回るのも大好きです。これらを題材にフィンランドやその他の国のお気に入りの町をご紹介したいと思います。
ご連絡はこちら: megumi_turku@yahoo.co.jp