今回はローマの料理教室、クッキングクラス・イン・ローマ(Cooking Classes in Rome)をご紹介します。シェフ アンドレアのキッチンは、トラットリアやバールがいっぱいの下町風のトラステベレの一角にあります。
材料はすべて地元の季節のもの、できるだけオーガニック、というこだわりで、シェフが毎日市場に出向いて、その日のメニューを決めるので、何を作るのかはお楽しみ。前菜、パスタ、メイン、デザートと4品は作ります。
わくわくしながらキッチンに着くと、ティラミスとミニトースト、ジャムにエスプレッソでお出迎え。参加者の自己紹介と、シェフの今日のメニューの説明で始まります。
キッチンの黒板に、今日のメニューが書かれています。ズッキーニの花のフライ、レッドペストソース、ナスとペコリーノチーズのトマトソースのカヴァテッリパスタ、ローマ風チキン、洋なしとチョコレートのスフレ。
アンドレアさんはてきぱきと10人の参加者に指示を与えて、することを分担していきます。ズッキーニ(とレストランのメニューには書かれていますが、本当はほとんどがかぼちゃの花だそうです)になす、プロシュート、モッツアレラを詰めながら、トラステベレは労働者の町で、貴族や教会の上層が食べ残した臓物や脂身を使ったのがローマ料理のはじまり、などという歴史も面白おかしく話してくれます。
パスタはセモリナ粉と水を混ぜ、ひたすら手で捏ねます。これを木べらのような道具でマカロニのような形のパスタに仕上げていきます。
トマトソースを作るときは、トマトの選び方のうんちくも。イタリアのトマトはいろんな種類がありますが、フィンランドでは選択の余地はありません…。
そしてできあがった料理は、アンドレアさんと助手がウェイターに変身してサーブしてくれます。希望の人には、ワイン・ペアリングも。私も誘惑に勝てず、白ワインを一杯だけいただきました。
3時ごろには終わるはずの料理教室は、参加者のおしゃべりとおいしいランチで結局4時くらいにまでのびてしまいました。
料理だけでなく、トラステベレの歴史や、おいしいレストランの見分け方、バッファローモッツアレラと牛乳で作ったモッツアレラの使い分けかたなど、気がつくといろんな知識も増えていました。
楽しい料理教室の材料は、ベテランのイタリアンシェフ、アンドレア・コンソリと新しい友達、ローマのキッチン、5時間のステップ・バイ・ステップのレッスン、大匙1杯の前向きの姿勢、というアンドレアさんの人柄が表れた楽しい料理教室でした。
シェフの帽子をかぶった大きなびんにいっぱいのワインのコルクには、それぞれ楽しい参加者との思い出が詰まっているのでしょうか。料理の好きな方、ぜひおすすめです!
【データ】
クッキングクラス・イン・ローマ (Cooking Classes in Rome)
住所:Via dei Fienaroli 5, Rome
URL:www.cookingclassesinrome.com
林 恵美
関西外大からフィンランドに留学、大学卒業後、トゥルクに移住して今年で20年。現在、トゥルク地域開発センターでビジネス開発に関わっています。個人旅行のテーマは料理・食べること・写真。好奇心に任せて市場やスークを歩き回るのも大好きです。これらを題材にフィンランドやその他の国のお気に入りの町をご紹介したいと思います。
ご連絡はこちら: megumi_turku@yahoo.co.jp