マリーナベイサンズに「14の星を持つ男」ゴードンラムゼイの新店登場

数々のテレビ出演でも知られ、世界中にある自身のレストランで、合計14のミシュランの星を持っている有名シェフ、ゴードン・ラムゼイが、シンガポールのマリーナベイサンズ内にカジュアルレストラン「ブレッドストリート・キッチン」をオープンしました。
セレブリティーシェフの店が軒を連ねる中、あえて気軽に利用しやすいカジュアルな店を選択。家族でゆっくり食事を楽しめるようにと、塗り絵などの入ったキットを配るなど、小さな子ども連れも歓迎。通し営業で、バーは最長深夜2時まで営業と、幅広いシチュエーションに対応しています。

店内は明るい日差しが差し込む1階席と、ちょっと隠れ家的な雰囲気の地下1階席に分かれていて、インテリアには、ロンドンの一号店のそばにある、セントポール大聖堂のシャンデリアやタイルが使われるなど、古きよき時代を思わせる、ノスタルジックな雰囲気です。
料理は、世界中を旅して料理を研究してきたゴードン・ラムゼイらしく、イギリスを代表する料理のほかにも、シンガポールで親しまれている調味料、タマリンドを使ったりと、シンガポールらしさも楽しめます。

まずは、イギリスを代表するお勧めのメニューは、シェファードパイ・ウィズ・ブレイズド・ラム（38シンガポールドル）。マッシュポテトの表面だけがカリッと焼き上げられ、中にはホロホロに煮込まれたラム肉が。マッシュポテトのきめ細かさや質感、柔らかなラム肉の食感に、丁寧な仕事が感じられます。

おなじみのフィッシュアンドチップス（26シンガポールドル）は、カリカリの衣の中にジューシーで脂の乗った白身魚を閉じ込めた一品。ほろほろとほぐれる優しい質感の白身魚と衣の食感の対比も楽しく、イギリスらしいグリーンピースのソースが、フレッシュな印象を与えます。

シンガポールらしい一皿としては、東南アジアで親しまれている調味料「タマリンド」をきかせた鶏の手羽先、タマリンド・スパイスド・チキン・ウィングス（18シンガポールドル）。タマリンドから来る甘酸っぱさに、コリアンダーの香りがアクセント。たれに絡めてあるのに衣がサクサク、中がジューシー。手がとまらない美味しさです。

スズキのカルパッチョ、シーバスフィレ・カルパッチョ（21シンガポールドル）は、とっても薄くスライスされたスズキが軽やかな印象。アボカドが魚にコクをプラス、ホースラディッシュや生姜がアクセントになっています。

小さなひな鳥をそのまま焼き上げたベビーチキン・チミチュリソース・バーンとレモン（34シンガポールドル）は、とっても柔らかくジューシーなのはもちろん、南米で肉料理によく使われるハーブとにんにくのソース、チミチュリがすっきりしたアクセントになっています。
いずれも、シンプルな料理にさりげなく異国情緒を織り込み、ひねりの利いた味に仕上げていて、新鮮な感覚を呼び覚ましてくれます。

デザートは盛り合わせの中から、特に印象に残った2つをご紹介。
モンキーショルダーと呼ばれるプレミアムウイスキーで香りをつけた、スコットランド伝統のチーズケーキ「クラナハン」、モンキーショルダー・クラナハンチーズケーキ（18シンガポールドル）は、クリーミーで香り高く、イギリスらしい個性の生きたデザート。

そしてもうひとつ、パイナップルのカルパッチョ（15シンガポールドル）は、とっても薄くスライスされてフリルのようになったパイナップルが斬新。ところどころにちりばめられたパッションフルーツが、酸味とプチプチの食感を、ココナッツソルベが清涼感をプラスした、南国ならではのデザートです。

素朴な表情をまとった料理の裏に、確かな技術が息づいていて、地元シンガポールでの評判も上々。かなり先まで予約で埋まっていますが、「気軽にぶらりと寄れるレストランであってほしい」という思いから、当日予約なしで入れる席も用意しているそう。また、予約を受けていないバーカウンターでも、レストランと同じメニューを楽しむことができるので、バーテンダーとの会話を楽しみつつ、カクテルとのペアリングをしてみるのも良いかも。親しい人、そして親しくなりたい人と、ぜひ訪れたいレストランです。

【データ】
ブレッド・ストリート・キッチン（Bread Street Kitchen）
営業時間：ランチ 11:30〜17:30、
　　　　　ディナー 17:30〜22:00（日?水曜）、〜24:00（木〜土曜）、無休
　　　　　バー 11:30〜25:00（日〜木曜）、〜26:00（金、土曜）
住所：Bay Level, L1-81,The Shoppes at Marina Bay Sands
電話： +65-6688-5665
最寄駅：MRTベイフロント駅直結