台北地下鉄の中正紀念堂駅、2番出口を出るとすぐに「南門市場」があります。
南門市場の歴史は古く民国前5年(明治42年)頃に出来た市場と言われています。昔台北の街には東西南北に門があり(今も北門などが残っています)、南門に近い市場と言うことで名づけられました。その頃はまだ平屋建てで文具や薬品などを扱う市場でした。
その後民国35年(1946年)にこの辺りが千歳町という名前になったのを機に千歳市場と言う名前になり、肉や野菜なども扱う市場になりました。その後台湾復興後、南門市場という名前に戻り、現在の建物は民国71年(1992年)に完成されたものです。
市場は今でも市民の台所と呼べるくらい台湾の食文化には欠かせない場所です。大きなスーパーマーケットもたくさん出来てきましたがやはり食品は市場で買うという文化がまだ根強く残っています。
南門市場は特に台北でも有名な市場で遠くからもわざわざ南門市場に買い物に来る人も多くいます。
南門市場は地下1階が野菜や海鮮、肉などの生鮮品を扱う市場になっており、1階は乾物などが並びます。2階は服などを扱うお店とフードコートがあります。
南門市場で有名なものと言えば「金華ハム」です。南門市場は上等な金華ハムが購入できる場所として台湾全土で有名な場所です。
金華ハムは台湾でも大変高級な食材の一つです。台北の有名なレストランの多くがここから金華ハムを仕入れたりしています。金華ハムを使った料理の有名なものは「富貴雙方」という蜜漬けの甘い金華ハムとサクサクの豆皮を薄いパンにはさんで食べるという料理があります。大変おいしい料理なのでレストランで見つけたら是非食べてみてください。
端午節(旧暦の5月5日)の前は南門市場は中華粽を買い求める人たちで大変賑わいます。おいしいチマキや様々な種類のチマキがある集まる南門市場は台湾中でも大変有名です。
また乾物などを扱うお店もたくさんあり、カラスミなども購入することが出来ます。
またさまざまな穀物、杏仁などの粉や漢方のスープの素などを扱うお店もあるので、そういったものが好きな方にもおすすめです。また珍しいものもたくさんあるので、是非見てみてください。
また南門市場はビーフジャーキー、ポークジャーキーなども有名です。様々な有名店が入っており、地元の人は試食をして吟味してから購入します。甘い味の物、辛い味のものなどたくさんあり、ジューシーでとてもおいしいです。肉類は日本へ持ち帰ることが出来ず残念ですが、是非台湾で思う存分楽しんで帰ってくださいね。
市民の台所南門市場にはおいしそうなおかずを販売するお店もあります。ここでたくさんの地元の方が食卓に持って帰るおかずを購入していきます。台湾では家庭で料理をする文化ももちろんありますが、中食文化も根強く、食事を買って帰って食べることが出来るお店がたくさんあります。
南門市場には饅頭という台湾の朝ごはんの定番の蒸しパンを販売する有名なお店が数多くあります。種類も様々でこちらは日本の方にも大変人気だそうです。
中身が何も入ってなくほのかに甘いタイプの饅頭や中にタロイモや小豆の餡が入っているものなどもあります。蒸し器で蒸して食べるととてもやわらかく、素朴な甘さがあり、豆漿(とうじゃん)と饅頭は台湾の朝ごはんにはかかせません。
この綺麗な食べ物は八寶飯と言ってお祝いの席や、旧正月などに食べるあまいおこわのようなものです。こういった食べ物は街中でなかなか見ることはできませんが、市場に来ると台湾の人たちの本当の食文化が見えてくるような気がします。
興味があれば市場にも足を運んで台湾の人たちの文化などを見てみるのも楽しいですね。
【データ】
南門市場
住所:台北市羅斯福路一段8號
営業時間:7:00〜20:00
休み:B1生鮮売り場、1F市場 月曜休み
2Fフードコート、ファッション売り場 年中無休
(※旧正月期間は市場全体が休み)
URL:http://www.nanmenmarket.org.tw/