シンガポールの建国50周年を祝うSG50の熱気は、8月9日の建国記念日を過ぎてもまだまだ続きます!
シンガポールで旧正月の次に重要視されている、「中秋節」。太陰暦のため毎年日付は変わりますが、今年は9月27日。
当日まで一ヶ月を切り、月餅商戦が本格スタートです。
今年も、オーチャードの高島屋での特設会場がオープン。報道陣なども来てにぎわっていました。
満月のように丸いテーブルを家族で囲み、月見をしながら丸い月餅を分け合って食べるのがシンガポールの中秋節の過ごし方。
昔は手作りしていたというランタン(ちょうちん)も、今はお店で買うのが主流です。
中秋節には生涯の伴侶と出会うという言い伝えもあるとか。結婚式の前夜に花嫁の髪を母親がとかす風習があるからか、その場で名前を彫ってくれる櫛も売られていました。
毎年新しいフレーバーを楽しみにしている人も多い月餅ですが、今年はアジアのベストペストリーシェフとしても知られるジャニス・ウォンが月餅商戦に参入。
中でも、SG50を記念した、その名も「シンガポールシグネチャーシリーズ」という300箱限定の特別セットは、建国50周年を記念して、シンガポールならではの味わいを月餅に閉じ込めたもの。中には、名前を見てこれが本当にスイーツになるの??という驚くようなフレーバーもあります。
「大福」のような日本の柔らかい餅が大好きだというジャニス、月餅も「スノースキン」と呼ばれる米の粉を使った生タイプのみの展開、皮もとても柔らかです。中には伝統的なハスの実のペーストと、卵黄の代わりにチョコレートが入っています。
アーティストでもあるジャニスらしく、絵の具のパレットのようなカラフルな月餅。小ぶりなサイズなので、少人数でも楽しめそう。
一見驚いてしまうようなフレーバーも、食べるとしっくりなじむのが不思議。
シンガポールのローカルフード、マレー風サラダのロジャックは、ジンジャーフラワーの香りが生きた本格的な味。ココナッツ風味のピリ辛麺、ラクサに使うラクサリーフは、レモングラスとあわせてさっぱりと。どのホーカー(屋台)にも必ずと言っていいほど置いてある唐辛子は、シンガポールの食を特徴づけるスパイス。ピリリとした辛さが、甘さのアクセントになっています。
中華系の多いシンガポールらしい、中国醤油や肉干も、中心に入ったチョコレートのコクと意外な相性のよさ。
ローカルスイーツのチェンドル、伝統的なお菓子「クエ」にも使われるパンダンリーフ、黒砂糖のようなパームシュガー、グラ・メラカなど、スイーツに愛用されている素材はもちろん月餅にぴったり。これぞシンガポールという味がそろっています。
価格は9個セットで65シンガポールドル。冷蔵で2週間の日持ちがするので、お土産にも便利です。
場所は、以下の3店、9月26日までの販売です。
・オーチャード高島屋特設会場
・Janice Wong(マリーナベイサンズ内/10 Bayfront Ave, Marina Bay Sands Shoppers #B2-K6, 018956)
・2am:dessertbar(ホランドビレッジ/21A Lorong Liput, 277733)
この他にも、高級ホテルやレストランがこぞって特色あふれる月餅を出しています。試食もできる店が多いので、お好みの味を見つけてみては?
この時期だけの味、シンガポールにいらっしゃる方は、ぜひ試してみてくださいね!
仲山 今日子
元テレビ山梨、テレビ神奈川アナウンサー。現在はフリーアナウンサー、ディレクター、ライターとしてお仕事を受けています。シンガポールのテレビ局J Food & Culture TV 勤務、All Aboutシンガポールガイド。ブログ。趣味は海外秘境旅行&食べ歩き、現在約40カ国更新中。