ガラパゴス諸島は、類を見ない珍しい動物の宝庫として広く知られています。100を超える大小の島々の大半は無人島で、人手が全く入らない自然が残されています。ガラパゴス諸島は南米大陸から約1000キロも離れた絶海の孤島なのですが、意外にも4つの島には日常の生活を営む人々が居住しているのです。フロレアーナ島に約100人、イサベラ島に約2000人、サン・クリストバル島に約8000人、そして最も人口が多いのが約2万人の人々が暮らすサンタ・クルス島です。全ての島民はエクアドル政府の許可をとり、ガラパゴスの自然を守るために現地で暮らしているのです。
ガラパゴス諸島とエクアドル本土を結ぶのは、バルトラ島とサン・クリストバル島に設置された2つの空港です。バルトラ島のサン・クリストバル空港からはバスで島の南端に向かうと、約600メートルのイタバカ海峡の先に、諸島で2番目に大きなサンタ・クルス島を見ることができます。海峡を小さなフェリーで渡れば、サンタ・クルス島の北端に上陸です。ここから島の中央のハイランドエリアを縦断して南端近くのプエルト・アヨラに移動します。アカデミー湾沿いに諸島では最大の集落が形成されているのです。
約300メートルの円弧を描くアカデミー湾の根元に開かれた港を中心に、プエルト・アヨラの村が作られています。港の沖合には諸島内の各島に向かう夥しい数のクルーズ船が浮かびます。プエルト・アヨラ港が、ガラパゴス諸島周遊の最大の基点となっているのです。港の周辺は、朝には未知の島に向かう人々の期待に満ちた表情、夕方には珍しい動植物に出会った満足感溢れる表情が溢れかえります。
港の桟橋の袂には、ガラパゴス沖合の海で獲れた魚介類を売るマーケットが開設されます。大きな魚を一匹買って帰る人もいれば、切り身で持ち帰る人もいます。魚をさばく人の側には、次から次にガラパゴス・アシカやカッショク・ペリカンが寄ってきます。ガラパゴスで生きる動物達は、人間ばかりでなく包丁も怖がらないようです。マーケットの横にはテーブルが並べられ、開放的な海辺のオープン・レストランとなっています。
港を中心に海岸線に平行して東西を繋ぐのが、メインストリートのチャールズ・ダーウィン通りです。通り沿いにはホテルや、レストラン、土産物のショップが軒を連ねています。リゾート地のような景観をもちあわせながらも、のどかで落ち着いた雰囲気を失いません。レストランでは地元の海の幸ばかりではなく、イタリア、スペインなどのヨーロッパ系料理の店も数多くあるため、国際色溢れる味わいを楽しむことができます。
ガラパゴスには100を超える島々が点在し、島ごとに固有の魅力が満ち溢れています。長期間、ガラパゴスに腰を据えて、諸島の隅々まで巡ってみたくなるものです。プエルト・アヨラには、観光案内所や銀行のATM、スーパーマーケット、コインランドリーまで揃っているので、心ゆくまでガラパゴスを堪能することができます。