最近では日本でも「オクトーバーフェスト」と呼ばれるイベントがドイツのそれをマネて春から秋に全国展開していますが本家本元はドイツ、ミュンヘン。
9月中旬から10月初旬まで、"世界最大のビールのお祭り"として各国から大勢のビールファンが集う歴史あるイベントなのです。
各メーカーがこのオクトーバーフェストのために少しアルコール度の高いビールを製造するのだそうで、それを目当てに各テントはもうあふれんばかりの人の波。
熱気で盛り上がり、「ブロースト(乾杯)!」の声が飛び交います。
もう、かれこれ200年以上も続く街をあげての祭典なので、地元の人たちもこのイベントを愉しみに、また観光客も競ってホテル予約をいれるのが常のようです。
もともとベストシーズンなので早めのホテル予約がおすすめ。
ちなみに昨年は640万人以上の人が訪れ、ビールの消費量は700万リットルと想像もできない数字が、このフェスの規模を示しています。
1リットルジョッキの特製ビールを会場で提供できるのは大手6社のみ。
人気のほどは好みがあるようですがテント内の混み具合がその人気を表しているようです。
バイエルン地方の名物白ソーセージとドイツビールの相性は抜群で、つい飲みすぎて「はしご酒」をしてしまう勢いは止めることができません。
各メーカーのテント内は1テーブル(10名)の予約席がないと座れず、混雑はハンパないのですがテーブルの上で演奏する楽団の見事なパフォーマンス、民族音楽を肩を組み合い合唱するグループと、まさに、"お祭り騒ぎ"を垣間見ることはできます。
テント外の小さな仮設レストランでもビールを買うことができ、地元の方々と交流するのもお酒の勢いと旅の開放感で、いつしか聞きなれたドイツ民謡を口ずさみ手拍子をとるのが自然の流れになってしまうのが不思議。
会場には「移動遊園地」も設営され、お祭りムードがより、きらびやかに輝きます。
遊園地のアトラクションも処変われば、どうやら回るスピードも日本より速いそうで、ビールに酔い、乗り物に興じ、ミュンヘンの夜が回って旅の濃密な時間が膨らみます。
イルミネーションも華やかな色彩が漆黒の空に映え、美しい。
雪降る美しいフラウエン教会の景観や夏風の心地いいマリエン広場で見た新市庁舎の仕掛け時計の感動よりも、秋の祭典「オクトーバーフェスト」はビールやソーセージの焼ける匂いが身体に沁みつき、ドイツ民謡が耳に残るエキサイティングな凝縮された時間。
一番「ミュンヘン」らしい「ミュンヘン」に出会うことができるフェスティバルなのです。
2015年
第182回 ミュンヘンオクトーバーフェスト
9月19日(土)〜10月4日(日)まで