TVなどでシアトルが紹介される時に必ず風景の中に入って来るスペース・ニードルは、都市部にありがちな高層ビルが立ち並ぶなか、シアトルの町並みを特徴付ける上でのシンボル・タワーです。
1962年に開催されたシアトル万博のテーマは「宇宙時代の人類(Living in the Space Age)」。
万博の名称も「21世紀の博覧会(Century 21 Exposition)」でした。
このテーマには21世紀へ向かって輝かしい未来を展望するというような明るい雰囲気がありますが、実はそうではありません。
ボーイングが本格的に宇宙開発に参入することを明示し、また冷戦時代において1955年に人類初の無人人工衛星スプートニクの打ち上げで旧ソ連に出し抜かれた形になったアメリカの威信を回復させる上で、非常に重要な意義がありました。
それでスペースニードルにも「宇宙(スペース)」の名称がつき、宇宙船もしくは空飛ぶ円盤を思わせるようなデザインのシンボルタワーになりました。
世界へ向けてアメリカが旧ソ連よりいかに進んでいるかを誇示するため、10月21日の閉会式には時のケネディ大統領が将来への展望を込めて閉会の辞を述べる予定でした。
しかしながらそれは大統領がひどい風邪をひいたからという理由で取りやめられました。実は10月14日に起こったキューバ危機(キューバを舞台に米ソの冷戦の緊張が核戦争寸前まで達した事件)のためであったと、後に公表されたのです。
そんな緊張をよそに、シアトル万博開催中にスペースニードルに上った入場客は連日2万人を数えたそうです。
そして現在もシアトル観光メインのアトラクションとして、展望台へのエレベーターには、いつも長い列が出来ています。
こちらのタッチスクリーンでは見えている側の風景の説明だけでなく、動物園はじめ主な観光スポットのバーチャルツアーが出来るようになっています。
ところで展望台へのエレベーターに差し掛かる手前でシアトルの風景をバックに写真を撮ってくれるブースがあります。写真代はチケットに含まれていますので、ぜひお試しになってみてください。撮影された写真は展望台にある特設ディスプレイでコードを打ち込めば確認出来ますし、家のPCからホームページにアクセスして写真をダウンロードすることもできます。
また1階にあるギフトショップへは展望台へのチケットが無くても入れます。いわゆるシアトルのおみやげが揃っていますので、ぜひのぞいてみてください。
【データ】
スペースニードル展望台(Space Needle Observation Deck)
住所:400 Broad St, Seattle, WA 98109
Tel:(206) 905-2100
URL:http://www.spaceneedle.com
開館時間:8:00〜24:00(チケット窓口は23:30まで)
料金:日時をオンライン予約&購入の場合(時間帯によって料金差あり)
大人(13〜64歳)18ドルより
子供(4〜12歳)11ドルより
シニア(65歳〜)16ドルより
オンライン購入で日時指定が出来ない場合および窓口購入の場合
大人(13〜64歳)28ドル
子供(4〜12歳)17ドル
シニア(65歳〜)26ドル
オンラインURL:https://sn.secure.accesso.com/embed/store.php?l=en&keyword=daily
Eko
夫の転職に伴い渡米、シアトルに住み着いて、気が付けば20年になりました。仕事、子育て、学業と突っ走って来ましたが、2011年3月の震災をきっかけに、微力ながら復興のお手伝いをさせて頂いています。長年住んでいるからこそ知っている昔話など交えつつ、大人の、または家族で、そして子供向けと、シアトルの色々な楽しみ方をお届けします!