バンフの旅行業界用語で「B10」(ビーテンと読む)という言葉があります。意味は、バンフを起点に10時間で戻ってくるカナディアンロッキーツアーの略。日本から来る団体ツアーはほとんどがこのB10ツアーであるため、このグラッシーレイクに行くことはありません。なぜならこのグラッシーレイクはバンフ国立公園外のキャンモアという街にあるためです。
キャンモアはバンフの東約30?に位置し、石炭が取れるため国立公園の指定から外れてしまったという歴史があります。そのため観光ルートからも外れてしまったのです。
でもこの神秘的なエメラルドグリーンのグラッシーレイクは知る人ぞ知る、穴場の人気スポットなのです。
グラッシーレイクを見るためには駐車場からハイキングをしなければなりません。200m位歩くと道が2つに分かれます。簡単な道か難しい道か選択を迫られます...。
イージー(EASY)コースは森林の中の緩やかな道を約1.8?ほど、モア・ディフィカルト(MORE DIFFICULT)コースは途中急な坂を登り約1.6?ほど歩きます。
目的地直前でこのような急な坂を登ります。足場が悪いところもあるので気を付けて登りましょう。
難しいコースを行くと、ランドル貯水池とキャンモアの街が一望できます。少しずつ標高が上がっているのがわかりますね。
山を登りきると「グラッシーレイク」が見えてきます。エメラルドグリーンの美しさにびっくりします。
ちなみに「グラッシーレイク」は英語で表記すると「Grassi Lakes」と複数形になります。というのもレイクは2つあって、最初に見えてくるのは「ロウワー・グラッシーレイク(Lower Grassi Lake)」なのです。
ロウワー・レイク(Lower Lake)の裏手にもう一つアッパー・レイク(Upper Lake)があります。こちらでは多少水遊びができます。
最後に豆知識を。
グラッシーレイクの名前は20世紀初頭にカナダに移住したイタリア人、ローレンス・グラッシーから来ています。彼はキャンモアの炭鉱で働いたのち登山ガイドとして活動し、キャンモア周辺のハイキングトレイルを整備したと言われています。
【データ】
住所:グラッシーレイクに正式住所はありません。アクセスを参照ください。
アクセス:キャンモアの街からCanmore Nordic Center (1998 Olympic Way Canmore AB, T1W 2T6)を目指し、ここを右に見るように通過し約2km 。
URL:https://albertaparks.ca/
(Alberta Environment and Parksのホームページを参照)
白柿 佳一
アメリカでマスコミ学の修士号を取得。在学中のインターンでニュース映像カメラマンを経験。帰国後、テレビ通販チャンネルのカメラマンとして11年勤務。2012年3月、アラフォーオヤジが妻子を連れてカナダ移住を実現。現在、カルガリー、バンフを中心にビデオカメラマンとして活動しながら、地元日系情報誌カルガリー・ウォーカーにもコラムを執筆中。