ラスベガスの無料アトラクションはいくつもありますが、ベラージオホテルにあるコンサバトリー&ボタニカルガーデンは、絶対に見逃してはならないお勧めのひとつ。毎日15,000〜18,000人の人が訪れるというこのボタニカルガーデン、草花や樹木をふんだんに使って作り出される季節ごとの風景はまさに芸術品。ベラージオらしい繊細な美しさと上品な贅沢さにあふれていて子供から大人まで訪れる人たちをみんな笑顔にさせてしまう魔法のようです。
この夏、ガーデンのテーマは「海の中」。熱い砂漠のラスベガスから涼しげなボタニカルガーデンの風景をお届けしましょう。
ガーデンに入って最初に目に飛び込んでくるのは、泳ぎ回る魚たちと、海底にひっそりとたたずむ沈没船。
ベラージオはホテルの前でおこなわれている噴水ショーも有名ですが、このボタニカルガーデンでも水の使い方がとても素敵。アーチを描く水やしたたり落ちるしずく、いきおいよく流れる水や静かな池など、ここでは水がその形をさまざまに変えて効果的に使われているのです。
沈没船の向かい側にはビーチに囲まれた桟橋。紫色の花で覆われたオットセイも登場。
桟橋横のビーチには砂で作られたベラージオホテル、高さ1.5mの砂の城。さすが芸が細かいです。
さて、今回の展示で一番の目玉はガーデンの一番奥にどーんとそびえたつコーラルリーフ。高さ8mのリーフには魚だけでなく、サンゴやフジツボ、ヒトデなど小さな生き物がすみついているようです。
リーフの下にある大きな真珠貝は、7分に一度貝がゆっくりと開いてきらりと輝く真珠がお目見えするというしくみ。
ところで、このガーデンのあちらこちらで華やかないろどりを添えている鉢植えの花はなんと10,000鉢以上。毎日スタッフが手作業で水やりをしていて、2週間ごとに新しい鉢植えと入れ替えられます。役目を終えたしおれた花たちはというと、ホテル内のいろいろな場所で植えられている植物のマルチ(根覆い)として再利用されているのだそうです。
先ほどのコーラルリーフにはカメも泳いでいました。
カメの甲羅、貝殻の縁取りに赤いカーネーションと黄色いキクの花で覆われているのがわかりますか?そして天井を見上げれば、明るい光の中をゆらゆらと漂うクラゲ。ここは海の中。
ぐるりと一回りしてくると、滝の流れる岩にマーメイドがたたずんでいます。
この「海中世界」は、140人の園芸のスペシャリストの方々が24時間体制で一週間かけて作り上げたもので、今回は6,000の花々と660本の樹木が使われているのだそうです!ちなみにここでは、春節(旧暦の正月)、春、秋、冬のホリデーシーズンと、1年に5つの季節がテーマとなって、毎回あっと驚く斬新なガーデンが登場しています。(季節の変わり目には、模様替え(作り替え)のためガーデンは約1週間ほどクローズされます。)
喧騒渦巻くカジノのすぐ隣にありながら、マイナスイオンたっぷりの心地良いボタニカルガーデンはとても贅沢な空間。そしてこの空間で素敵な時間をだれでも無料で好きなだけ楽しめるというラスベガスならではのアトラクション、ぜひ一度は足を運んでみて下さいね。
場所は、ベラージオホテル1階。なお、夏のガーデンは9月12日まで。その後いったんクローズとなり9月18日からテーマも新たに秋のガーデンとしてオープンされます。
【データ】
ベラージオ・コンサーバトリー & ボタニカル・ガーデンズ
(Bellagio Conservatory & Botanical Gardens)
住所:3600 Las Vegas Blvd South, Las Vegas, NV 89109
Tel: 702.693.7111
URL:https://bellagio.mgmresorts.com/en/entertainment/conservatory-botanical-garden.html
営業時間:毎日24時間オープン ※夏の展示は9月12日まで
入場料:無料(ホテルに宿泊していなくても入場できます)
石川 葉子
南の島ばかり旅して潜っていたのに、なぜか今は砂漠のど真ん中。縁あってたどりついたここラスベガスは、街そのものも魅力にあふれていますが、実はちょっと足を延ばせば心癒される自然にたっぷり出会える「一粒で2度おいしい」街。そんなラスベガスのいろいろな顔をご紹介していきます。
最近はフードトラックを追いかけて{ラスベガス・フードトラック図鑑}も始めました。