先日ボーイング工場見学ツアーをご紹介して飛行機続きになりますが、その工場のほどちかく、敷地に隣接するほどの位置にあるのが、飛行遺産コレクション FHC (Flying Heritage Collection)です。
NHKで8月6日放送の「所さん!大変ですよ<世にも不思議な珍事件SP>」の前半、第二次大戦中に、また戦後の統治下でGHQが戦利品として持ち帰った旧日本軍関連の品々のコレクターがいるという特集がありましたが、そのなかでコメンテーターのモーリー・ロバートソンさんが「戦闘機まで蒐集しているコレクターがいる」と驚きの報告をしていた、そのコレクションが一般公開されているんです。
飛行遺産コレクション FHCは引退したマイクロソフト社の共同創業者で資産家のポール・アレン氏の個人博物館です。アレン氏は今年3月に戦艦「武蔵」を発見したことで、日本にも名前が知られるようになりました。
第一次・第二次大戦で実際に使用された戦闘機は空港近くの航空博物館にもたくさん所蔵されていて、飛行可能なまでに復元されてはいますが、実際に飛ぶ事はまずありません。
こちら、飛行遺産コレクション FHCのものは常々メンテナンスを怠らず、ほとんどの機体が飛行出来る状態に保たれていますし、実際にイベントなどで飛ばすことも多々あるそうです。
メンテナンスのために展示機は常に入れ替えられているため、この日は飛行可能な零戦はありませんでしたが、隼はシッカリと見る事ができました。
機体・エンジンともほぼオリジナルを保って飛行可能まで復元されている隼は貴重で、他の飛行機は点検を兼ねて飛行しても、隼だけは滅多に飛ばさないのだそうです。
私自身は戦闘機のことはあまり知らないのですが、館内にはボランティアで学芸員を引き受けているお年寄りが常駐していて、何か尋ねれば懇切丁寧に教えてくれます。小さいですが様々な資料映像が見られるシアターもあり、いろいろと勉強になりました。
こちらへいらっしゃるには時間的、距離的にも規模にしても、ボーイング工場見学と併せて行かれるのがちょうどよいかと思います。ただ公共交通機関が通っていませんので、ご自分で運転して行くのでなければオプショナルツアーを申込むか、車で来てくれる日本語ガイドを頼むか、またはタクシーを頼んで向かう事になります。でもお好きな方なら1度は行っておきたい、本当に行く価値のある博物館です。
【データ】
飛行遺産コレクション FHC (Flying Heritage Collection)
住所:Paine Field Airport, 3407 109th St SW, Everett, WA 98204
Tel:(206) 342-4242
URL:http://flyingheritage.com
開館時間:5月30日〜9月2日(年中無休10:00〜17:00)
9月3日〜5月29日(火曜〜日曜10:00〜17:00)
(感謝祭とクリスマスは休館)
料金:大人$14、シニア(65歳以上)$12、子供(6〜17歳)$10、5歳以下は無料
Eko
夫の転職に伴い渡米、シアトルに住み着いて、気が付けば20年になりました。仕事、子育て、学業と突っ走って来ましたが、2011年3月の震災をきっかけに、微力ながら復興のお手伝いをさせて頂いています。長年住んでいるからこそ知っている昔話など交えつつ、大人の、または家族で、そして子供向けと、シアトルの色々な楽しみ方をお届けします!