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牛肉と一緒に何を焼きますか? 答えを求めてソウルから南へ300km

   
八田 靖史
八田 靖史
 

牛肉と一緒に何を焼きますか?答えを求めてソウルから南へ300km

牛肉と一緒に何を焼くべきか。新たな複合の味を求めて

優れたものを3つ集めて、御三家、三銃士、三種の神器などと呼び表すことがあります。三人寄れば文殊の知恵、石の上にも三年、三度目の正直といったことわざ、慣用句が多いことからも、「3」という数字が特別であることは間違いありません。すごいぞ3。ということでだいぶ強引な論法ではありますが、3にまつわる話をしたいと思います。

ガンギエイの刺身、茹で豚、古漬け白菜キムチのサマプ

韓国では優れた食材が3つ合わさって、より美味しくなるものを「サマプ(三合)」と表現します。もっとも有名なのが上の写真。というか、ほとんどの場合がコレなのですが、ガンギエイの刺身、茹で豚、古漬け白菜キムチの3種を指してサマプと呼びます。

市場で売られているガンギエイ。全羅南道一帯が名産地

韓国語でホンオフェと呼ばれるガンギエイの刺身は、発酵させることによって強いアンモニア臭を放ち、その激臭を楽しむのが通とされます。その激臭に、豚肉のうま味と、熟成した白菜キムチの酸味を加え、相乗効果でより美味しく味わうというのがサマプの論理。韓国料理の中でも珍味中の珍味といえますが、チーズやくさやなど、においの強い食材にひかれる人は試してみてください。

ただ、これだけがサマプではないんですよね。ほかにも、サマプと呼ばれる料理が韓国にはあります。

ソウルから南へ300km行くとそこには市場があった

正南津長興土曜市場。焼肉を中心とした飲食店が並ぶ

舞台は全羅南道の長興(チャンフン)。写真は「正南津長興土曜市場」という場所なのですが、この正南津(チョンナムジン)というのが、ソウルの王宮から見て真南にある土地という意味です。なのでソウルからずーっと南へ訳300km下って、海のあるところが長興。ただ、長興郡を地図で見ると、タテに細長い形をしており、北部は山が連なる地形でもあります。食文化の面から見ると、海の幸も山の幸も楽しめるという地域ですね。

市場で食事をする際は、まずこの精肉店に立ち寄ろう

また、土曜市場というのは、その名の通り土曜日に開く市場ということ。従来の伝統市場というのは五日市が基本で、この市場ももとは2と7のつく日だけが市の立つ日でした。それを韓国が週休2日制を導入した2005年7月。土曜日も人が集まる市場にしようじゃないかと、できたのが土曜市場です。

カルビ、霜降りロース、ミスジなどの人気部位が集まる

一画には精肉店があり、長興の特産品である韓牛(韓国のブランド牛)を販売しています。これらが土曜市場を象徴する人気商品なのですが、大半の人は家に持ち帰るのではなく、近隣に並ぶ店へと持ち込むのです。

いよいよ判明、牛肉をより美味しく味わえる特産品2品

牛肉とタイラギとシイタケが長興を代表する特産品

お店に牛肉を持ち込むと、韓国らしくいろいろな小皿料理がついてきます。ポイントは牛肉の上に位置する2種類の食材。左がタイラギという貝で、右はシイタケ。いずれも長興の特産品なのですが、ここで思い出していただきたいのが御三家、三銃士、三種の神器。そう、これぞまさに長興のサマプ(三合)なのです。

焼くのはセルフ。牛肉はハサミで食べやすい大きさに

牛脂をひいた石板に、牛肉、タイラギ、シイタケを並べて、じゅわーっ。韓国でもニンニクとかマッシュルームを並べて焼くことはよくありますが、貝とキノコを並べて焼くというのは珍しい光景ですね。

焼き加減の見極めも重要。タイラギはさっと焼きたい

ほどよく焼けたら、葉野菜の上に3種類を載せて、サムジャン(包み味噌)を添えてガブリ。とろけるような牛肉の脂に、タイラギの甘味、シイタケのクニッっとした食感が加わって、これがまたなんともいえない組み合わせなのですね。過去に味わったことのない複合のうまさといいますか、これきっと特産品でなければ一緒にしようとは思わなかったはず。その発想に感服という名物料理です。

まさしく「これぞサマプ!」なのですが、大喜びでバクバク食べていたところ、衝撃の展開が待っていました。

なんと4人目の刺客が登場、隠れたもう1品の食材とは

焼き板に投入されたテナガダコ。これもこの土地の名物

お店の人がやってきたかと思うと、「ウチの店はこれも有名なんですよ!」と活きたままのテナガダコを焼き板の上にドサリ。活きたままですから、アチチ、アチチとのたうち回るのですが、それを箸で押し付けて踊り焼きにします。

やや残酷ではあるものの、やがて力尽きたところで、食べやすい大きさにハサミでカット。牛肉、タイラギ、シイタケと一緒に味わってみますと、これがまた新たな組み合わせとなってその変化を楽しめるのです。サマプならぬ、サハプ(四合)。すると御三家も四天王あたりにスライドさせる必要が出てくるかもしれませんが…。

メセンイトックッ。極細の海藻は海の香りに満ちている

間髪入れず、焼肉の仕上げとしてメセンイトックッ(カプサアオノリという海藻のスープ)が登場。カプサアオノリも長興の特産品なので、考えようによってはオハプ(五合)。となると今度は五大老、五賢帝、五虎大将軍…。と、もはや収集がつかなくなってきましたので、ともかく長興には美味しい特産品がたくさんあるとご記憶ください。

<物件データ>
店名:ファンソントゥッコビ(황손두꺼비)
住所:全羅南道長興郡長興邑土曜市場1キル21(汭陽里121-7)
住所:전라남도 장흥군 장흥읍 토요시장1길 21(예양리 121-7)
電話:061-863-7818

八田 靖史

八田 靖史
1999年より韓国に留学し、韓国料理の魅力にどっぷりとハマる。2001年より執筆活動を開始し、最近は講演や、企業のアドバイザー、グルメツアーのプロデュースも行う。著書に『魅力探求!韓国料理』(小学館)、『八田靖史と韓国全土で味わう 絶品!ぶっちぎり108料理』(三五館)ほか多数。ウェブサイト「韓食生活」を運営。2015年より慶尚北道栄州(ヨンジュ)市広報大使。

    

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