私は最近、コンサートでTime to say goodbyeを歌うことが多かったのでアマルフィを思わずにはいられませんでした。日本の映画「アマルフィ」でBGMとしてこの曲が使われ、観光地としてもよく知られるようになった名所。
夏休みになると、イタリア各地からもたくさんのバカンス客が訪れる海水浴場として知られるアマルフィ。
絶景の海が広がるだけでなく、歴史と宗教を感じられる神聖な場所でもあるんです。
白と黒のシマシマ模様とマーブル柄がなんだかかわいいこの大聖堂は、987年に建てられ、7度もの改修の末に現在の姿となりました。町の守護聖人である聖アンドレアが祀られており、地下には聖アンドレアの遺骨が納められています。
「天国の回廊」と呼ばれるキオストロは光と影のバランスがとても神秘的。白い柱と中庭の緑のコントラストも大変美しく、思わずため息がもれてしまいます。
大聖堂では信仰深い町の人たちのミサが毎日行われており、写真撮影は禁止、露出の多い服装での入場は禁止されています。
天国の回廊を通って、美術館、聖アンドレアが祀られている地下祭室、そして大聖堂へと続きます。地下の祭壇はその昔栄華を極めたことがよくわかる絢爛豪華な大理石の装飾で埋め尽くされています。神聖で荘厳な聖堂内に足を踏み入れると、心が洗われるような気分。まさにパワースポットと言えるでしょう。
大聖堂の前の広場を通る、町のメインストリートでは、たくさんのお土産を売っています。お手軽なトラットリアも軒を連ねています。日本語メニューのあるお店がほとんどですので、気後れせずに思い切って入ってみましょう!この地方は野菜と魚介類がとても美味しく、手打ちパスタやリゾットなど、南イタリアの郷土料理を存分に楽しむことができます。
大聖堂を見学して、メインストリートでお土産を見ながらお散歩し、お腹を満たしたら、ホテルに向かいます。私のおすすめホテルはイル・サラチェーノ。大聖堂の下の駐車場広場から無料のシャトルバスで送り迎えしてくれます。
このホテルのおすすめはなんといってもプールと海水浴。絶景を見下ろしながらプールで遊んだら、今度はさらにその下のプライベートビーチへ降りてみましょう。
そして、ホテル内のレストランもとってもおすすめ!夕日が海の向こうに落ちて、南イタリアの強い日差しが陰ったら、サマードレスを着て外のテラス席で軽くアペリティフ(食前酒)を楽しみます。それから遅めの夕食へ移動しましょう。
アマルフィへはナポリからSITA社のバスで約三時間。カーブのきつい崖をくねくねと走ります。道中の絶景もお楽しみの一つ。ただし夏はバスが非常に混雑するので、できれば始発の駅から乗りましょう。カプリやソレント行きの船が出ているモロ・ベヴェレッロ(Molo Beverello)の隣にあるインマコラータ港(Porto immacolata)から出ています。チケットは運転手さんから直接買います。24時間有効のもので6.8ユーロ。
ホテル名:イル・サラチェーノ(il Saraceno)
住所:Via Giovanni Augustariccio, 33, 84011 Amalfi SA, イタリア
Tel:+39 089 831148
URL:http://www.saraceno.it
休み:冬季要問い合わせ
ゆき
東京芸術大学大学院修了後イタリアに国費留学。ナポリ国立音楽院修了。2012年サンカルロ歌劇場主催オペラ「ラ・ボエーム」に出演。ゴッドファザー等の映画の影響で南イタリアをこよなく愛す。現在イタリア生活5年目。音楽業の傍ら、翻訳やバイヤーもこなす。治安が悪く、ゴミ問題やスリが跡を絶たないナポリの街をいかに安全に楽しむか、そして「ナポリを見て死ね」の言葉の深さを伝えたいです。