7月4日の独立記念日、アメリカ国内からだけではなく世界中から観光客が訪れてお祝いムードに湧いたワシントンDCですが、これから8月末にかけて、DC市内の名所はもとより隣接する郊外の各州の見どころスポットでも、沢山の夏のイベントが催されています。
今回は、近場のメリーランド州ボルチモアに足を延ばしてみましょう。
港町ボルチモアは、1729年に南部産のタバコの輸出のため開港して以来、貿易港として発展し続け、1830年にはボルチモア・オハイオ鉄道(Baltimore Ohio Railroad B&O)が開通。60年代以来開発が続けられ、近年は、インナー・ハーバー周辺では、ショッピング・モール、ボルチモア水族館(National Aquarium, Baltimore)、サイエンス・センター(Maryland Science Center)、フォート・マクヘンリー要塞(Fort McHenry)などが観光スポットとして注目されています。
DCのユニオン・ステーションからボルチモアのペン・ステーションまではアムトラックで約40分。グーグル・マップによると、車でもMD-295号線を使うと約38マイルなので、約1時間の運転で到着することができます。
今日は、この街のおススメのレストラン「フリート・ストリート・キッチン(Fleet Street Kitchen)」をご案内しましょう。インナー・ハーバーから、フェルズ・ポイントに向かってマリーナ沿いに歩いて行くと、地元で人気のグローサリー・ストアー、ハーバー・イースト・ホール・フーズ・マーケット(Harbor East Whole Foods Market)が建つ界隈に行きあたります。
フリート・ストリートを隔ててハーバー・イースト・ホール・フーズ・マーケットの真向いに建つレストランが、今日ご紹介する穴場スポットです。
1800年代には家具店だったという広々とした店内には、当時の雰囲気を醸し出す剥き出しの煉瓦の壁や床板に見事に調和したシックなトーンの家具が配置されています。天井の梁の間からぶら下がるシャンデリアと、テーブルの上のキャンドル・ライトの柔らかな明かりに静かに照らし出された空間で、落ち着いて食事が楽しんでいただけるお店です。
こちらはアメリカン・キュイジーヌのレストランですが、ワインリストの中には外国産のワインも豊富です。私が好むようなカベルネ・ソーヴィニヨンのリストにはカリフォルニア産の物が多かったので、同じような風味でオーダーしたお料理にぴったりのフランスかイタリア産のワインがあるかどうか伺ったところ、勧められたのはクエルチャべッラの2009モングラーナ。「フランスやイタリア産の赤ワインでは、南米やカリフォルニアに豊富なカベルネ・ソーヴィニヨンだけというのはなかなか見つからなく、このマレンマ産の2009モングラーナはサンジョヴェーゼが50%、あとはメルローとカベルネ・ソーヴィニヨン種が25%ずつなので、酸味がしっかりしている上フルーティで、一般的にカベルネ・ソーヴィニヨンが好きな方には気に入っていただけるワインです。」とのことでした。
お料理は4品のティスティングのコースとラムのサドル、ビーガンのためのパスタ・ディナーを注文します。こちらのお店の厨房で使っている野菜はほとんど地元メリーランド州と隣接するペンシルベニア州の農場から、他の食材も厳選された北米の産地から直送された最高の食材だそうです。ビーツがメインのお料理を食べたことはあまりありませんでしたが、この巨大なビーツは大根のお仲間のはずなのに、このお料理は甘くて心なしかお芋のような食感でびっくり!
お口の中にゆずの風味が広がるスービーズとゆずコショー・ビネガレットソースのシー・スキャロップも絶品です。
カナダの西海岸ヴァンクーバー・アイランドのサーモンには定評がありますが、こちらのシェフもヴァンクーバ―産のキング・サーモンをお使いでした。
こちらは、中東やヨーロッパではお馴染みの料理でしょうか。ラムのサドル、ヴァイスヴルスト・ソーセージ、ひよこ豆のグリーン・カレー・ファラフェル、ソテーしたフェンネルとビーンズの盛り合わせです。
チョコレート・アイスクリームが添えられたチーズケーキをカプチーノといっしょに頂き、夢心地。とてもゆったりとした時間を過ごすことができるこちらのお店、もしボルチモアを訪れることがありましたら、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。ちなみに午後5時から7時までのハッピーアワー(HAPPY HOUR)ですと、ターバン(バー)のメニューのお料理とアルコール飲料が半額という嬉しいお値段です。
今回は、メリーランド州の港町ボルチモアのインナー・ハーバー界隈からおススメのレストランの話題をお届けしました。次回は、アメリカ東部の知られていないカントリーサイドの小さな町から夏の風景をお届けします。どうぞお楽しみに!
<データ>
【フリート・ストリート・キッチン(Fleet Street Kitchen)】
住所:1012 Fleet Street Baltimore, MD 21202
電話:410-244-5830
URL:http://www.fleetstreetkitchen.com/
営業時間
月曜日~木曜日 17:00~22:00
金・土曜日 17:00~11:00
日曜日 17:00~21:00
【アーバン・パイレーツ(Urban Pirates)】
電話:410-327-8378
URL: http://www.urbanpirates.com/
【ハーバー・イースト・ホール・フーズ・マーケット(Harbor East Whole Foods Market)】
住所:1001 Fleet St, Baltimore, MD 21202
電話:410-528-1640
URL: https://eu.wholefoodsmarket.com/?destination=www.wholefoodsmarket.com%2Fstores%2Fharboreast
【アムトラック・ステーション】
住所
ユニオン・ステーション(Washington DC): 50 Massachusetts Avenue NE Washington, DC 20002
ペン・ステーション(Baltimore): 1500 N Charles St, Baltimore, MD 21201
URL: https://www.amtrak.com/home
☆ワシントンDCからボルチモアへのアクセス
ワシントンDCユニオン・ステーションからボルチモアのペン・ステーションまではアムトラック(Amtrak)を利用。時間帯により普通車だと17ドルから24ドルまででご利用できます。ファーストクラス、ビジネスクラスとは料金が異なりますので、ウェブサイトでご確認ください。
舞林鳥 恵
80年代後半から日米間を往復する暮らしを始め、現在DCから小一時間の田舎町で夫とのふたり暮らしを満喫しています。カントリーライフの醍醐味をHappyNest in Americaにて配信中。ワシントンDC周辺の観光名所や魅力的な穴場スポットの情報をお届けします。