私は個人で旅行するとき、現地の方が経営する料理教室に参加するのが好きです。いろいろ参加した中で、これはぜひ!というものをこれからいくつかご紹介したいと思います。
まずは大好きなマラケシュのハウス・オブ・フュージョン(House of Fusion)。オーストラリア人のエドヴィナさんが経営するリアドと料理教室です。リアドに着くと、スパイスの入った香ばしいコーヒーが待っていました。コーヒーを飲みながら、今日のメニューを相談します。決まったメニューは、チキンのタジン、ケフタ(ひき肉)タジン、焼きなすのサラダ、かぼちゃのジャム、クスクス、デザートにフライパン焼きの焼き菓子。
これから材料の買い物に。エドヴィナさんが教えてくれるアラビア語のフレーズ、すみません、オレンジを1kgお願いします、などなどを聞くままにメモして、バザールへ。野菜売りのおじさんに、習いたてのアラビア語でなすびを500gほど、とお願いしますが、当然通じません(笑)エドヴィナさんが一緒にアラビア語と英語で助けてくれます。チキンは、生きたにわとりがかごに入って売られていました。
そして、料理にとりかかります。ミントとパセリ・コリアンダーを刻み、玉ねぎをみじん切りにし、チキンにスパイスをすりこみ、ひき肉にスパイスを混ぜ、なすを薄切りにし、クスクスにオリーブオイルを混ぜながら手もみにし...。1人で参加したので、仕事はたくさんあります。モロッコ料理はたくさんのスパイスを混ぜて作るので味に深みがありますが、辛くはありません。レシピはエドヴィナさんが教えてくれるのを、自分でノートに書き留めます。これがけっこうたいへんでしたが、プリントして渡されるものよりも自分でやった、という満足感があります。
できあがった料理は中庭でいただきます。お手伝いのモロッコ人の女性が、テーブルにばらの花びらを撒いて、料理をもってきてくれました。エドヴィナさんに勧められて、モロッコ産の白ワインも試してみました。モロッコのワイン?そうなんです。知られてはいませんが、海沿いではワインに適したぶどうも育つらしいのです。私の好みの、上出来なワインでした。
このあとは、料理に使ったスパイスの買い物にもう一度バザールへ。エドヴィナさんと一緒に「スパイス・マン」を訪れました。スイートパプリカ、クミン、ファンネルシード、コリアンダーシード、シナモン、ローズウォーター、オレンジフラワーウォーター、なんでもあり。スパイスミックスのラス・エル・ハヌと数種類のスパイス、アルガンオイルを購入しました。ラス・エル・ハヌはその場でグラインドしてくれ、びんづめになったものとはちがう格段の香り。
おいしいものを食べ、学び、地元の人とも少しふれあいができたもりだくさんの1日でした。
ハウス・オブ・フュージョンの料理教室は、私の参加した半日のレッスン(Long half day)のほかにも1日教室饗宴の日(Feasting Day)やベルベル料理教室(Berber Kitchen)などもあります。リアドではもちろん宿泊もでき、小グループを対象にツアーも行っています。
ハウス・オブ・フュージョン(House of Fusion)
住所: Riad Zitoun Lakdim, Derb Jdid 81, Marrakech
URL: https://www.houseoffusionmarrakech.com/
林 恵美
関西外大からフィンランドに留学、大学卒業後、トゥルクに移住して今年で20年。現在、トゥルク地域開発センターでビジネス開発に関わっています。個人旅行のテーマは料理・食べること・写真。好奇心に任せて市場やスークを歩き回るのも大好きです。これらを題材にフィンランドやその他の国のお気に入りの町をご紹介したいと思います。
ご連絡はこちら: megumi_turku@yahoo.co.jp