台湾で一番人気の観光スポットと言えばやはり九份(きゅうふん)ではないでしょうか。
既に行かれた方も多いと思いますが、昼間の風景と夜の風景を比べながら、改めて九份の魅力をお伝えして行きたいと思います。
台北の北東約40km、ヘアピンカーブが続く山道を車で走っていくと、気を付けていないと見落としてしまいそうなほど小さな路地の入り口があります。
九份の商店街(基山街)の入り口の左横にセブンイレブンがあり、これが目印になります。早朝はひっそりとしているのですが、9時を過ぎるとツアーのバスが次々と到着し、この狭い入口が多くの観光客でごったがえします。
入口はこんなに狭いのですが、商店街はここからずっと奥まで続いています。
道幅は狭く、両側にびっしりとお店が並んでいます。
このように急にカーブしている場所もありますが、1本道でずっと続いていますので迷子になることはありません。
奥に行くほどディープな雰囲気になってきます。右手は魚のつみれをスープに入れて食べる「魚丸湯」の有名店です。
基山街を10分ほど歩いていくと豎崎路という長い階段と交差する場所に行きつきます。ここで右に曲がって、その階段を下りてください。ここが、映画「千と千尋の神隠し」の一場面のモデルになったと言われる場所です。
さて、台北から九份に一番手軽に行く方法は、旅行会社のオプショナルツアーに参加することです。既に九份に行かれたという方も、ほとんどがオプショナルツアーで行かれたのではないでしょうか。
九份に行くツアーは、だいたいどこの会社でも朝九份に行って昼ごろ戻ってくるものと、夕方九份に行って夜市に寄って夜帰ってくるものがあります。十分などを含めたコースもありますが、九份に立ち寄るのは日中です。
ここで、九份の日中と夜の風景を比較してみましょう。
上の写真は、豎崎路の階段の下から、上に向かって撮影したものです。
旅行会社のパンフレットなどによく使われているアングルです。
こちらが、同じ場所から撮影した夜の風景です。より、「千と千尋の神隠し」に近い感じがします。
今度は、基山街を豎崎路のところで曲がらずに真っ直ぐ行ったところにある展望台から基隆(キールン)方面の海に向かって撮影したものです。
九份は、街自体がとてもノスタルジックな風景となっていますが、海沿いの高台に位置するため、こういった風景もとてもきれいに見ることができます。
前の写真とは、ちょっと違う場所から撮影したものですが、同じように基隆方向に向けて撮影したものです。海上に見える灯りは漁火です。
日中も夜も、それぞれ違った良さがあります。
しかし、九份を代表する豎崎路の赤い提灯が連なる階段の風景は、やはり夜行った方がより幻想的で見応えがあるのではないでしょうか?
そこで、ここからは夜の九份ギャラリーをお楽しみください。
こちらは、階段の上から下に向かって撮影した写真です。
海には漁火も見えており、とても幻想的な光景です。
階段から下に向かって左手に入ったところにあるレストランの2階から撮影したものです。レトロな雰囲気の大きな建物は阿妹茶楼という茶芸館です。
完全に日が落ちて、空が真っ暗になるとまた違った雰囲気になります。
ここでご紹介した場所には、旅行会社のオプショナルツアーに参加すれば訪問することが可能です。興味を持たれたら是非行ってみてください。また、日中にしか行ったことが無いという方は、是非次回は夜のツアーに参加してみてください。
なお、九份にはこれ以外にも見どころがありますし、茶芸館やレストランもたくさんあります。また、民宿が数多くあり宿泊することもできます。さらにディープな九份の魅力はまた次の機会にご紹介したいと思います。
阿部 吾郎
24年間旅行会社に勤務した後、2013年に独立し「トラベルガイド株式会社」を設立。「人がそこに行きたくなる写真」をテーマに国内外で写真撮影を行っている。同社が運営するマレーシアの旅行情報サイト、トラベルガイド・マレーシアにも自身で撮影した写真が多数使われている。その他、旅行写真素材の販売、旅行記事の執筆、旅行会社へのコンサルティングなどを手掛る。最近はマレーシアに年4~5回程度渡航。その他、旅行会社時代の経験も含め得意な方面は、台湾、香港、マカオ、シンガポール、アイスランドなど。