こちらのレストランに来たら是非入り口前のこの看板にも注目してください!こちらは代々天香楼で引き継がれているアンティークの看板で、とても貴重なものとのことです。元々中国の杭州にあった天香楼レストラン、現在は杭州の本店はク
ローズし、台湾のこちらと、香港のお店のみとなったそうです。
レストランは落ち着いた雰囲気でお食事が楽しめます。
広い中国大陸の中でも杭州地方は海に面していない地域で、川の魚などを使用した料理が多いのも特徴です。またとてもあっさりとした味付けが特徴で日本の方にもとても親しみやすい味付けです。
天香楼で出されるお料理の多くにはとても古い歴史があり、そのストーリーと共にお料理を楽しむとより一層味わい深いものになるので不思議です。
こちらは「宋嫂魚羹」(白身魚入りとろみスープ)というスープです。
やさしいお味のスープで、素材のうまみが伝わってきます。
こちらのスープには800年近い歴史があるといわれているそうです。昔、杭州に宋五嫂という女性がいたそうで、ある日風を引いた弟に生姜や胡椒、お酢を入れた魚のとろみスープを作って飲ませたところ、その温かいスープで弟の風邪はすぐによくなったそうです。ある日その話を聞きつけた南宋の皇帝がそのスープを飲みたいと宋五嫂のところにやってきて、そのスープの味の虜になり、その後そのスープは杭州の名物料理になったといわれています。
こちらはタウナギのフライに甘酢ソースをつけていただくお料理。
くせが無く、とてもやわらかいタウナギがふわふわサクサクで箸が止まりません。甘酢ソースと食べるタウナギは脂がのっていますがしつこくなく、目からうろこのおいしさです。
そして天香楼の看板料理ともいえるのがこちらの「東坡肉」(豚の角煮)です。天香楼の特性の小さな壷に入って運ばれてくるこちらの東坡肉はレンゲを入れるとホロホロと崩れるほどやわらかく煮込まれています。しつこくない味でソースは一緒に出てくる白いご飯にかけて食べると絶品です。
「東坡肉」のお話はとても有名で、この「東坡肉」の名前は宋の時代の詩人「蘇東坡」に由来しています。蘇東坡がまだ地方官として働いていた際、西湖付近では生い茂るまこもの被害でとても困っていたそうです。その環境を改善した蘇東坡へのお礼として住民達がたくさんの豚肉を送ったそうですが、蘇東坡はそれを煮込んで料理を作り、逆に住民達にふるまったそうです。住民達はこの料理の味が忘れられず、この料理を習いに来るものが後をたたなかったそうです。彼の作った豚肉をじっくり煮込んで作った料理を「東坡肉」と呼んだことからこの名がついたといわれています。
天香楼のお料理の多くにはこういったストーリーがこめられています。
おいしいお料理を深い歴史に思いをはせながら楽しめるレストランです。
【データ】
店名:天香楼 (繁体字:天香樓)
住所:台北市中山區民權東路二段41號 亞都麗緻大飯店(ザ ランディス 台北)地下1階
Tel:2-2597-1234
営業時間:ランチ12:00〜14:30、ディナー18:00〜22:00
休み:年中無休
最寄駅:台北地下鉄「中山國小」より徒歩5分ほど「行天宮」より徒歩15分ほど