パリを代表するデパートといえば、オペラ座近くオースマン通りに並ぶプランタンとギャラリー・ラファイエット。パリジャンはもちろんのこと、観光客の人気も高く、足を運んだことがある方も多いでしょう。
プランタンが、この場所に店を構えたのは、今からちょうど150年前の1865年のことでした。ガラス張りのクーポルがあることで知られる建物は、ファサード(道路に面した外観)も美しく、1975年には、国の歴史的建造物の指定を受けています。
「プランタン」というのは、フランス語で「春」を意味します。すべての商品が、「春のように新鮮で美しい」という創業者の誓いを込めて名付けられたそうです。
創業150周年を迎えるこの春、プランタンはオースマン店を薔薇色で埋め尽くしました。
まずは、通りに面した外観、ファサード。5500本以上の花で、春色に染め上げられ、見違えるようです。
季節ごとに子供も大人も覗き込むショーウィンドーは、この機会に、世界中から11人のアーティストを招聘して芸術空間と仕立て上げられています。
このイベントのために生まれたマスコットは日本人アーティスト吉井宏氏によるもの。プランタンのテーマカラー「ルビンレッド(濃いピンク)」に身を包んでいます。
何よりの目玉は、このイベントのための限定商品。400のブランド、メーカーの協力により、1000点近くの限定商品が準備されました。
衣類はもとより、鞄、靴、ジュエリー、フレグランス、メイクアップアイテムなど、さまざまな商品がすべて「薔薇」をテーマに準備されています。その中から、旅行者にも荷物にならないものをいくつか挙げてみましょう。
プランタン店内には、日本でも有名なメゾン・デュ・ショコラ(Maison du Chocolat)が、この期間だけ喫茶コーナーを構えます。買い物で疲れたら、バラ風味のチョコレートや、エクレアなど特別なスイーツで、癒されたいですね。
期間は3月20日から6月20日まで。この時期、パリを訪れる方は、ファサードだけでも見る価値あり。プランタン・オースマン店でしか手に入らない薔薇色商品たちも、この機会に是非のぞいてみたいところです。
【データ】
プランタン(Printemps)
住所:64, Boulevard Haussmann, 75009 Paris, France
Tel:+33 (0)1 42 82 50 00
URL:https://www.printempsfrance.com/
営業時間:9:35〜20:00(月曜日〜土曜日)、9:35~20:45(木曜)
休み:日曜日
冠 ゆき
山田流箏曲名取。1994年より渡仏。大学院での研究の傍ら、大学や専門学校で日本語日本文化講師を勤める。2000年より、ポーランド、イタリア、中国の生活を経た後、2013年フランスに戻る。旅好きでもあり、今までに訪れた国は約40カ国。六ヶ国語を解する能力と多様な文化に身をおいてきた経験を活かし、柔軟かつ相対的視点から、フランスと世界のあれこれを切り取り、webマガジンCafeglobe、とっておきのフランスInfoなどで日本に紹介中。