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素通りするには惜しい美食の町〜1軒の新店と2軒の老舗を例に

   
八田 靖史
八田 靖史
 

韓国で国民食と呼ばれ愛されるチャジャンミョンを生んだ町

仁川のチャイナタウン。仁川駅のすぐ前に位置している

大勢の観光客が日々訪れる仁川(インチョン)国際空港。ソウルを目指す人たちにとって、空の玄関口に例えられることも多いですが、そんな表現を耳にするたびに思うことがあります。日常生活で玄関と言えば、靴を履いたり脱いだりするのがメインの場所。そんな用途のためだけに仁川を利用するのはあまりにもったいない。

「その玄関でメシを食え!」

と声高らかに主張したいですね。みなさんが玄関だと思っている町は、むしろ腰を据えてゆったり食事をすべきダイニングです。

チャジャンミョン。全体をよく混ぜて食べるのが流儀

例えば、仁川駅前に広がる韓国最大のチャイナタウン。この一帯では1883年の仁川港開港を機に、中国の山東省から移り住んだ人たちが、多くの中国料理を伝えました。代表料理のチャジャンミョン(ジャージャー麺)は、いまや韓国で国民食と呼ばれるほどの人気です。

2012年4月にオープンしたチャジャンミョン博物館

そんな背景から、チャイナタウンにはチャジャンミョン博物館もあります。この建物は1905年に創業した「共和春」という店の旧店舗を利用しました。

<店舗データ>
店名:チャジャンミョン博物館(짜장면박물관)
住所:仁川市中区チャイナタウン路56-14(善隣洞38-1)
住所:인천시 중구 차이나타운로 56-14(선린동 38-1)
電話:032-760-7823

チャイナタウンで進化を遂げた白いチャジャンミョンとは?

チャイナゲート。近隣にはメルヘンな町の童話村もある

仁川のチャイナタウンにはたくさんの中華料理店がひしめいており、チャジャンミョンやチャンポン(激辛の海鮮麺)といった定番料理から、コース形式の高級中華までを幅広く味わえます。激戦区とあって、各店がそれぞれ工夫を重ねているのですが、最近は新しい発想の中華料理も流行となっています。

キャリア30年の料理長が開発した白いチャジャンミョン

オープンから3年目の「チャイナゲート」は、白いチャジャンミョンを看板料理に掲げる店。カラメルを加えた真っ黒な黒味噌ではなく、大豆、タマネギ、サツマイモ、韓国カボチャ(エホバク)、エビやひき肉などを用いた、白いあんを麺に絡めて提供しています。

よく混ぜて食べると、どこか中華風のパスタという感じでもありますが、タマネギやサツマイモの甘味がよく出ていて後を引きます。少量の酢を加えると、味が引き締まってさらによし。

色鮮やかなクォバロウ。肉はハサミでカットして味わう

大勢で行くならシェア用としてクォバロウ(酢豚)も人気の一品です。トンカツを思わせるような大きな肉に、もち米の衣をつけているので、そのままでサクサク、あんと絡めてつるつるという、ふたつの食感を楽しめます。

<店舗データ>
店名:チャイナゲート(차이나게이트)
住所:仁川市中区済物梁路314(松月洞2街5-1)
住所:인천시 중구 제물량로 314(송월동2가 5-1)
電話:032-764-0106

セルフサービスの単品メニューで心をつかむ地元客御用達の店

近隣で働く会社員が出勤前に立ち寄るミョンウォルチプ

仁川のチャイナタウンから10分ほど歩くと、仁川で3番目に古いとされる飲食店の「ミョンウォルチプ」があります(店の看板では1966年創業、1962年とする場合もある)。午前7時40分に開店するこの店は早朝から常連の地元客で大混雑。メニューはたったひとつしかありません。

ぐつぐつ煮立ったキムチチゲ。レトロな鍋もたまらない

それがタライのような大鍋で煮込まれるキムチチゲ。セルフサービス方式なので、客は自ら器を手にしてキムチチゲをよそい、また厨房で盛り付けられた大量のおかずをテーブルへと運びます。

おかずは日替わり。食べ飽きない家庭料理の趣がある

出来上がるのはこんなにも立派な食卓。 

たっぷりのキムチチゲに、サンマと大根の煮物、目玉焼き、キムチ、ナムル、焼き海苔など。キムチチゲも大きな豚肉がごろごろ入っていますし、しっかり熟成させたキムチはスープに深みのある味わいに仕上げます。

ごはんが進むことこの上なし!朝食、昼食に超オススメです。

<店舗データ>
店名:ミョンウォルチプ(명월집)
住所:仁川市中区新浦路23番キル43(中央洞3街4-49)
住所:인천시 중구 신포로23번길 43(중앙동3가 4-49)

早朝5時から営業する市内でもっとも歴史の古いスープ料理店

立派な店構えの平壌屋。夜は焼肉なども提供している

最後に紹介する店は、1945年創業と仁川でもっとも古い「平壌屋(ピョンヤンオク)」です(なお2番目に古い飲食店は江華島にある「ウリオク」。タラ鍋や、マナガツオ鍋の美味しい定食店で、この店もオススメ)。

ヘジャンクッには牛カルビに加えて薄切りの牛肉も入る

こちらも朝5時から営業と早く、朝食にぴったりのスープを提供しています。メニュー名はヘジャンクッですが、これはもともと「酔い覚ましのスープ」という意味。地域によって、店によって、さまざまなスープをヘジャンクッとして提供しますが、「平壌屋」の場合は牛カルビと白菜のスープです。

ごろんと立派な牛カルビ。骨回りにかぶりついて味わう

どうですか、この立派な牛カルビ。牛肉のうま味ととろとろになった白菜の甘味が混ざり合って、なんとも滋味深い味わいを作り上げます。ほどよくニンニクも効いており、卓上に用意されたエゴマ粉を振りかけるとよりいっそうコク味アップ。五臓六腑に染み渡るとはこのことで、思わず夢中になって食べてしまうこと間違いなしです。

<店舗データ>
店名:平壌屋(평양옥)
住所:仁川市中区桃源路8番キル68(新興洞3街18)
住所:인천시 중구 도원로8번길 68(신흥동3가 18)
電話:032-882-4646

さて、みなさん。

ここまで3軒の飲食店を紹介しましたが、それでも仁川を素通りなさいますか? 発想の斬新な新規店から、地元で愛される老舗店まで、仁川には幅広い魅力のグルメが待っています。玄関としての利用だけではあまりにももったいない。そんな熱い気持ちが伝わりましたでしょうか。

美味しい料理はまだまだあるので、ここはいったん続くということにして、次回「港町ならではの魚介編」でさらに畳みかけたいと思います。

八田 靖史

八田 靖史
1999年より韓国に留学し、韓国料理の魅力にどっぷりとハマる。2001年より執筆活動を開始し、最近は講演や、企業のアドバイザー、グルメツアーのプロデュースも行う。著書に『魅力探求!韓国料理』(小学館)、『八田靖史と韓国全土で味わう 絶品!ぶっちぎり108料理』(三五館)ほか多数。ウェブサイト「韓食生活」を運営。2015年より慶尚北道栄州(ヨンジュ)市広報大使。

    

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