ジョージタウンのペナン通りから1本東に入ったレイズ通りという小道に面して真っ青な壁が印象的な建物があります。チョン・ファッィー・マンション、通称ブルーマンションです。1880年に建てられたもので、もともとは東洋のロックフェラーと呼ばれた大富豪、チョン・ファッィーの屋敷でした。現在は、ブティックホテルとして営業しています。
ブルーマンションの門にはいつも守衛さんがいてゲートのバーが下りており、少々近づきにくい雰囲気です。しかし、その建物の美しい外観を見ただけで、どうしても中に入ってみたくなります。
ブルーマンションに入る方法は3つあります。一つ目は1日に3回(11:00/14:00/15:30 英語 16リンギット)実施されるガイドツアーに参加することです。二つ目は、ブルーマンション内にある「チョン・ファッツィー・レストラン」で食事をすること(ランチ:12:00-14:30 ディナー:18:00-20:30)。そして三つ目は宿泊することです。
敷地内に入るとブーゲンビリアが咲いており、壁面のブルーと見事にマッチしていました。古いトライショーが飾られています。
壁面の装飾、窓、瓦などの細部のデザインにこだわりが感じられます。
こちらが建物の入り口です。さっそく中に入ってみましょう。
入り口を入ると正面に見事な彫刻が施された大きな衝立のような壁があり、その左右から奥に入れるようになっています。これは、典型的なプラナカンスタイルのお屋敷です。プラナカンとは、15世紀ごろより中国からこの地に渡ってきた人々と現地の女性との間に生まれた人々の子孫を指し、彼らは中国とマレーさらに西欧の文化も取り入れ、衣食住において独特の文化を発展させました。チョン・ファッツィーはプラナカンではありませんが、その様式を取り入れて邸宅を建築したのです。
建物の中心には吹き抜けの中庭があります。
床のタイル、柱、ランプなどすべてに見事な装飾が施されています。
屋敷の内側の壁も鮮やかなブルーです。
回廊の奥に螺旋階段が見えます。
螺旋階段を上から見ると渦潮のように美しく見えます。
螺旋階段をのぼった先にある、2階の廊下も美しい。
ブルーマンションの歴史を解説するパネルや当時使われていた衣服などが展示されています。
こちらは、当時使われていたマージャンセットです。
ガイドツアーに参加すれば、これらの展示を含めお屋敷の中を見学することができます。
2階にある「チョン・ファッツィー・レストラン」です。アールヌーボーのステンドグラスがあるレトロな広間で、優雅な気分で食事を楽しむことができます。
お昼のコースは2種類あります。
Aコースはチキンのソース焼きそばをメインに前菜とデザートが付きます。
Bコースは海鮮おこげをメインに前菜とデザートが付きます。
お昼のコースはいずれも45リンギット+税金です。
(2015年3月現在のメニューです。コース内容や料金は変更になる場合があります。)
ブルーマンションには18の客室があります。客室ごとに違ったデザインになっていますが、どの部屋もアンティーク家具が置かれ、当時の生活を彷彿とさせるレトロな雰囲気です。
写真は「スカラー(Scholar)」という名前が付いた客室です。
シャワールームです(バスタブはありません)。
ブルーマンションに入る3つの方法と内部の様子をお伝えしてまいりましたが、いかがでしたか?3つの方法のうち、特におすすめはランチです。午前中、ジョージタウンを散策し、昼ごろに暑くなってきたらブルーマンションに入りゆっくりと優雅にランチを取るのがお勧めのコースです。観光とブルーマンションのランチを組み合わせた現地ツアーもありますので、そちらを利用する方法もあります。
阿部 吾郎
24年間旅行会社に勤務した後、2013年に独立し「トラベルガイド株式会社」を設立。「人がそこに行きたくなる写真」をテーマに国内外で写真撮影を行っている。同社が運営するマレーシアの旅行情報サイト、トラベルガイド・マレーシアにも自身で撮影した写真が多数使われている。その他、旅行写真素材の販売、旅行記事の執筆、旅行会社へのコンサルティングなどを手掛る。最近はマレーシアに年4~5回程度渡航。その他、旅行会社時代の経験も含め得意な方面は、台湾、香港、マカオ、シンガポール、アイスランドなど。