パート?では、マラッカ川の西側にあるスポットをご紹介します。
植民地時代の雰囲気を残す東側に対し、街の西側は中国式のショップハウスが建ち並ぶチャイナタウンです。ここでは、プラナカン文化の影響を受けた文物が数多く見られます。
オランダ広場のすぐ横にマラッカ川にかかる橋があり、これを渡ればこの街のメインストリートである「ジョンカーストリート」の入り口に出られます。
橋の上からマラッカ川を見下ろすと、マラッカ川クルーズのボートが行き来しています。マラッカ川の河口と上流の2か所にチケット売り場があり、往復約10km、40分間のクルーズを楽しむことができます。
こちらがジョンカーストリートです。通りの両側に建ち並ぶショップハウスには、様々なレストランやショップが入っており、いつも多くの観光客で賑わっています。
チャイナタウンは、真ん中のジョンカーストリートを中心に、南側にヒーレンストリート、北側にハーモニーストリートが並行して通っています。
華やかなジョンカーストリートに対し、ヒーレンストリートはちょっと落ち着いた雰囲気で、古い街並みがより当時の状態に近い形で保存されている地域です。このヒーレンストリートにある「ババニョニャヘリテージ」は、是非訪れておきたい観光スポットです。1896年に建造されたプラナカンの邸宅を博物館として公開しているもので、中国本土から取り寄せた豪華な調度品の数々、イギリス製のタイルやランプで飾られた部屋、祖先崇拝の祭壇など、当時のプラナカンの生活を垣間見ることができます。なお、この博物館の内部は撮影禁止となっています。
一方、ハーモニーストリートは様々な文化が混ざり合った、ある意味とてもマレーシアらしい場所です。仏教、ヒンズー教、イスラム教といった異なる宗教を信仰する人々が、お互いを認め合って共存しているという意味合いがこの通りの名称に込められています。ちなみに、同じ名前の通りがペナンにもあります。
写真はヒンズー教寺院「スリ・ポヤダ・ヴィナヤガール・ムーティ寺院」です。上半身が象の形をしているガネーシャ神を祭っています。
そのすぐ隣にはイスラム教のモスク「カンポン・クリンモスク」があります。1748年に建てられたもので、緑の屋根を持つ方形の塔が印象的です。
青いタイルが美しい、カンポン・クリンモスクの入り口です。お祈りの時間を除き、自由に見学することができます。
そしてこちらが中国寺院、青雲亭（チェン・フーン・テン）です。1645年の建立です。
三国志の英雄、関羽などが祀られており、いつも多くの人々が参拝に訪れています。
青雲亭で目を引くのは、屋根の上の装飾です。色鮮やかなタイル片を使った細かい細工で、様々な動物や花などが描かれています。
こちらは、青雲亭の内部にある祭壇の下にひっそりと祀られている神様なのですが、かなりインパクトのある外見です。人の悪い心や、悪いことを食べてくれるトラの顔をした神様で、かなり人気があるそうです。気を付けていないと見逃してしまいそうですが、青雲亭に行く機会があれば、ぜひ探してみてください。
マラッカのチャイナタウンには様々なレストラン、カフェ、ショップがあります。
こちらは有名なジオグラファーズカフェです。ジョンカーストリートのちょうど真ん中あたりにあり、柱に刻まれた「地理学家」の文字が目を引きます。コーヒーが8~10リンギット程度ですので、街歩きの途中に気軽に立ち寄れます。アルコール類のメニューも豊富です。
ジョンカーストリートの入り口のところにある「和記鶏飯団」のチキンライスです。スチームされたジューシーな鶏肉に甘辛い醤油ベースのたれが良く合います。マラッカのチキンライスはご飯が小さなおにぎりのようなライスボールになっているのが特徴です。値段も10リンギット程度とリーズナブル。お昼時はとても混雑しますので、少し時間をずらして行くことをお勧めします。
チャイナタウンには、プラナカンの伝統工芸「ニョニャビーズサンダル」のお店が数件あります。高級なものになると1足仕上げるのに3ヶ月かかり、値段は7、8万円前後とかなり高額です。数千円~2万円ぐらいで買えるものもありますので、お気に入りの一足を探してみてください。
マラッカの楽しみは、何と言っても街歩きです。ゆっくりと歩きまわっていると、いろいろなものを発見します。日中はかなり暑いのですが、 カフェで休憩したり、お店に入ったりしながら歩き回ってみてください。マラッカにはクアラルンプールからのオプショナルツアーで訪れる人が多いと思います。主要な観光スポットを効率よく見ることはできますが、マラッカの本当の魅力に触れるには時間が足りません。是非、マラッカに宿泊して地図を片手に歩き回ってみてください。
最後に、私が街歩きで発見したショップハウスの美しい窓の写真をお見せしましょう。
いかがでしたか？
これ以外にも、美しい窓はまだまだたくさんあります。
マラッカに行ったら、少し上を見ながら歩いてみてください。
阿部 吾郎
24年間旅行会社に勤務した後、2013年に独立し「トラベルガイド株式会社」を設立。「人がそこに行きたくなる写真」をテーマに国内外で写真撮影を行っている。同社が運営するマレーシアの旅行情報サイト、トラベルガイド・マレーシアにも自身で撮影した写真が多数使われている。その他、旅行写真素材の販売、旅行記事の執筆、旅行会社へのコンサルティングなどを手掛る。最近はマレーシアに年４~5回程度渡航。その他、旅行会社時代の経験も含め得意な方面は、台湾、香港、マカオ、シンガポール、アイスランドなど。
