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漁港礼賛〜心をとろかす絶品ウニ丼とピカピカのカタクチイワシ

   
八田 靖史
八田 靖史
 

漁港礼賛〜心をとろかす絶品ウニ丼とピカピカのカタクチイワシ

大辺港の露店。名産品の煮干しやするめが売られている

いいですよねぇ。地方の漁港。冒頭の写真は韓国南東部の大辺港(テビョナン)で撮ったものですが、これを眺めているだけでも、磯の香りや、天日干しのイカの香りがよみがえってくるようです。煮干しやコンブ、生干しのするめなどがずらりと並ぶこの漁港は、釜山市の郊外、機張(キジャン)という地域にあります。韓国には美味しいものの集まる漁港が山ほどありますが、その中でも機張といえば乾物の宝庫として有名です。

もし身近に韓国人がいたら、機張の名産品を尋ねてみてください。

「煮干し!」
「ワカメ!」
「コンブ!」

といった答えが返ってくるはず。1年に1度この機張を訪れて、大量の乾物を買っていく韓国人はけっこう多いのです。

大辺港の景色。U字型の湾に沿ってたくさんの店も並ぶ

僕がこの大辺港を初めて訪れたのは2014年5月。後に書きますが、お目当てはまた別にありまして、ついでに足を伸ばしたという軽い気持ちでした。ところが、大辺港の4〜5月は煮干しの原料となるカタクチイワシ(ミョルチ)が最盛期で、わんさか水揚げされているタイミングなんですね。毎年4月下旬には「機張カタクチイワシ祭り」も開催されているほどで、実にいい時期に行ったのでした。

鮮度抜群のカタクチイワシを韓国人はこう買い求める

カタクチイワシは3〜6月が旬。秋はタチウオも美味しい

こちらがとれたばかりのカタクチイワシ。刺身で食べても美味しいですが、韓国人のお目当てというのはまた別にあったりもするんですよね。

これ、何をしているところかわかります?

右の男性が店の人、左の女性が買い物客。さて商品は?

カゴいっぱいのカタクチイワシに山ほどの粗塩をぶち込んで、わっせわっせとかき混ぜているところ。これは要するにカタクチイワシの塩辛(ミョルチジョッ)を即席で作って販売しているということなんですね。

韓国ではこのカタクチイワシの塩辛を、キムチの味付け用として大量に使います。保存が効くものなので春のシーズンにまとめ買いしておき、1年かけて使う家も多いです。

カタクチイワシの塩辛。コンブやワカメを扱う店も多い

即席で作るだけでなく、こうしてボトルに詰めたものもずらり。

これぞ旬の漁港グルメ!カタクチイワシを使った定番2品

カタクチイワシの焼き魚。店頭では練炭で網焼きにする

漁港内をふらふらしているとこんな光景も発見。

飲食店の店頭でカタクチイワシを網焼きにしていました。これを見ちゃったらもう食べるしかないですよね。

刺身、焼き魚のほか、カタクチイワシのチゲなどもある

有名店の「南港フェッチプ」に入り、注文したのがこちら。手前の皿がミョルチフェ(カタクチイワシの刺身)で、奥にあるのがミョルチグイ(カタクチイワシの焼き魚)です。刺身といっても日本のようなスタイルではなく、生野菜とともに甘辛酸っぱいタレで和えてあるのが特徴。サラダのような感覚ですが、食べてみると青魚特有の風味も活きており、さっぱりと味わえるのがいいですね。

焼き魚は頭と内臓だけ取って丸ごと焼いてあります。骨ごと食べられるので、ひょいひょいパクパクと食べられるのが嬉しいところ。冷えた焼酎をことさら美味しく飲み干し、幸せな大辺港初訪問となりました。

ひとつ強調しておきたいのはこの2品。いずれも半人前なんです。ひとりでふらっと行ったので刺身と焼き魚の両方食べたいけど、2人前を頼むのはさすがに多い。そこで店の人に交渉し、半分ずつということで作っていただきました。ヒマな時間帯だったからというのもあるかもしれませんが、そういった融通を効かせていただけるのもありがたいことでした。

<店舗データ>
店名:南港フェッチプ(남항횟집)
住所:釜山市機張郡機張邑機張海岸路572(大辺里447-6)
住所:부산시 기장군 기장읍 기장해안로 572(대변리 447-6)
電話:051-721-2302

ウニ丼!ウニ丼!ウニ丼!ぜひ2度食べて欲しいウニ丼!

このウニ丼のためだけに機張へ行っても後悔はないはず

さて、話は少し戻って、大辺港の前に食べたのがこのウニ丼。もともとのお目当てはこちらのほうで、地元ではアンジャングバプと呼ばれています。

アンジャングが地元方言でバフンウニのことを指し、それをムラサキウニとともにダブルのウニ丼に仕立てたのがこの料理。よく見ると白っぽいムラサキウニと、オレンジの鮮やかなバフンウニが両方使われています。

ただただ至福。ゴマ油の香りもケンカせず調和している

一面のウニというだけでため息が漏れそうですが、実際にひと口食べると身悶えするような至福の味。濃厚な甘さもさることながら、器の底にゴマ油のタレが仕込んであり、全体をかき混ぜて食べることで、確かに「これはまさしく韓国料理!」という味に仕上がるのです。

ウニ丼だけでなく副菜も充実。土地柄、海藻料理も多い

このアンジャングバプはムラサキウニの旬である5〜8月と、バフンウニの旬である11〜2月がもっともおすすめ。せっかくなので両方のシーズンに出かけて食べ比べましたが、ムラサキウニが主役となる時期はとろとろ具合と甘さで勝り、バフンウニが主役となる時期はコクのある濃厚さで上回るとの印象でした。

「どちらも素晴らしくうまい!」

ということに変わりはしませんが、もし可能なら2度行くとより楽しめますね。舌でとろける料理は数多いですが、舌とともに心までとろかしてくれる料理はそうそうありません。

<店舗データ>
店名:ミチョン食堂(미청식당)
住所:釜山市機張郡日光面日光路77-43(三聖里28-1)
住所:부산시 기장군 일광면 일광로 77-43(삼성리 28-1)
電話:051-721-7050

八田 靖史

八田 靖史
1999年より韓国に留学し、韓国料理の魅力にどっぷりとハマる。2001年より執筆活動を開始し、最近は講演や、企業のアドバイザー、グルメツアーのプロデュースも行う。著書に『魅力探求!韓国料理』(小学館)、『八田靖史と韓国全土で味わう 絶品!ぶっちぎり108料理』(三五館)ほか多数。ウェブサイト「韓食生活」を運営。2015年より慶尚北道栄州(ヨンジュ)市広報大使。

    

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