スリランカに象の孤児園ってあるの知ってた？キャンディを訪ねてみた

スリランカ 象の孤児園を訪ねて

スリランカを訪れたある外国人観光客がこう言ったそうだ。
「スリランカでの日々はまるで映画を見ているようだ。
ドキドキする場面がギュッと詰まった国。
Action　Pack　Sri Lanka(アクションパック・スリランカ)」
インド大陸の南に位置し、日本の北海道とほぼ同じ面積を持つスリランカ。
実際に驚きの連続を見せてくれたスリランカを少しずつ紹介していきたい。

スリランカ到着の翌日、世界遺産「シギリヤロック」を目指す道中、巡礼者が絶えない聖地キャンディの西30kmの「ピンナワラ」にある「象の孤児園」を訪れた。スリランカにいくつかある「象の孤児園」はすべてスリランカ政府が運営をしている。

村や森には親からはぐれたり、村人が狩りをするために掘った穴に落ちてしまった子象が多くいる。穴に落ちてしまった子象の周りを母親は3日間離れないと聞いたが、やがて救いだせぬまま母親も群れに戻り、子象は置いてきぼり・・・。
それを見つけた村人が「象の孤児園」に連絡をして子象を救い出し、孤児園に連れていくと言う仕組みになっているそうだ。

ガイドのラトナさんの説明を受けながら「可哀想な子象たちは元気に暮らしているのであろうか?」と心配になる。不安を胸に午前9時過ぎ、「象の孤児園」へ入園。我々が早起きをしたのにはわけがあり、子象のミルクタイムを見学しようと思っていたのだ。

こちらの孤児園では1日に2回、9：15と12：15に観光客が子象にミルクを与える事ができる。ミルクやりにはチケットの購入が必要であるが、哺乳瓶からグイグイとミルクを威勢よく飲むその愛らしい姿は眺めているだけでも十分だ。
園内の子象たちは人懐こく呼ぶと近くに寄って来る為、ミルクをやらなくてもかなりの至近距離で象を見たり触ったりすることができる。

草が生い茂る広い土地に放たれている象たちは象使いの言う事を良く聞いて、お利口にゆっくりと草を食べている。空は青く、象の向こうにはジャングルが広がる絶景の大自然。その風景にすっかり魅了され、自由を感じる幸福な時間は日常の雑多を忘れさせてくれる。

ダイナミックな象の水浴びを一望

さて、お次は1日2回行われる象の水浴びタイム。1日に200リットルの水を飲むと言う象たちは毎日10時と14時の2時間ずつ、川で水浴びをするのである。象使いに連れられて川へ大移動する象の群れに圧巻されながら、我々観光客も象の群れについて川へ移動する。

今までいくつかの国を訪れてきたが、こんなにも壮大な景色は初めて！広大な川へじゃぶじゃぶと入って行く象の群れ。象使いに身体を洗ってもらい、水を飲み、仲間とじゃれあい、体を横にして寝転び、長い鼻を使って水浴びをする象たちの姿は自由そのもの。

汗だくで写真撮影に夢中になっていたが、ふとカメラを持つ手を止めて目の前の情景に向き合ってみた。轟々と流れる川の音、透き通った川の水、生い茂るジャングル、青い空、そして自由に水遊びを楽しむ象の群れ。ダイナミックかつ素晴らしい情景は迫力満点。

象の近くの川べりへ行くことももちろんできるが、高台から眺める事もできる。欧米人たちはのんびりと日陰のベンチから象の群れを見ていた。川の上にはレストラン。窓際のテラス席を陣取ってしばしティータイム。スリランカ名物のセイロンティを頂きながら象の水浴びを眺めるのもまたオツである。

象が大好きで、今までいくつかの東南アジアの象たちに会ってきたが、ここスリランカの「象の孤児園」の迫力は一番だ。もう一度象の行進を、象の水浴びを見に行きたいなあと思いを馳せる。

象のウンチで作られたリサイクルペーパー

名残惜しく象の水浴び場を立ち去り車に戻る途中、ちょっとだけショッピングタイム。象のウンチを再生利用した「リサイクルペーパー」のショップがあるのだ。

絵葉書やノート、メモ帳、カレンダーと可愛いぞうさんグッズが並ぶ。買い物の早い私はミーティング用のノートとお土産用のメモ帳をチョイス。帰国して使ってみたが紙がしっかりとして使いやすい思い出の一品。

この後スリランカの様々な街を訪れたが、リサイクルペーパーショップには出会えなかったので、象の孤児園を満喫した後は是非こちらのお店に立ち寄ってショッピングも楽しんで頂きたい。